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押し切りを図るラインクラフトをゴール前でかわしたエアメサイア(手前)が初G1をゲット=京都競馬場 |
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2強対決を制し、エアメサイアが最後の1冠を手に入れた。ローズSの再現VTRのように、変則3冠を狙うラインクラフトが残り三百メートルで先頭に。直線は2頭の一騎打ちとなったが、首差差し切って悲願のG1タイトルを奪取した。次走はエリザベス女王杯(11月13日・京都)が濃厚で、初めて古馬と相まみえる。
3歳牝馬の頂上決戦。ゴール前の死闘は、わずかにユタカ&エアメサイアに凱歌が上がった。今年のG1戦線をリードする2人の意地と意地のぶつかり合い。早め先頭で押し切りを図るユーイチ&ラインクラフトを確実に追い詰め、キッチリ首差捕らえた。
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第10回秋華賞 |
1着 |
エアメサイア |
武豊 |
1.59.2 |
2着 |
ラインクラフト |
福永 |
クビ |
3着 |
ニシノナースコール |
横山典 |
3 |
ユタカは最初から直線勝負にかけていた。道中はライバルを6馬身後ろから見る格好。「いつも以上に落ち着いていたので、エネルギーをタメるだけタメようと思った」。ゆったりした流れにも動じることはない。3角の坂の下りでユーイチが先に動いても、少しも慌てなかった。
4角を回ってもその差はまだ5馬身ほど。「向こうが伸びて一瞬、離された。届かなかったら仕方ない」。腹をくくった。右ステッキ一発で相棒へ追撃の合図を送る。3馬身、2馬身。「直線はハラハラ。まだゴールが来ないでくれと思っていた」。測ったように差を詰め、捕らえたところがゴール板だった。
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最後の1冠を制した武豊は伊藤雄師とがっちり握手=京都競馬場 |
待望のG1タイトル。「ずっと乗ってきた馬で、最後の1冠が取れてうれしい」。98年に1番人気で3着に敗れ、G1無冠に終わった母エアデジャヴーの無念も晴らした。数々の名牝を育てた伊藤雄師も「上手に折り合っていた。最後は前走の倍以上に切れると思ってたから、乗り役がどういうふうに魅せてくれるか楽しみながら見てた」と余裕の笑みを浮かべた。
「状態を見ながら」(同師)だが、今後は古馬の待つエリザベス女王杯が濃厚だ。「これからはG1ホースとして出るレース。楽しみにしたい」とユタカ。次週に迫ってきた歴史的大仕事へ、最高の流れができた。(森本公久)
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