秋華賞
 エアメサイア 初G1に首差届いた 2005/10/16・京都競馬場
 
押し切りを図るラインクラフトをゴール前でかわしたエアメサイア(手前)が初G1をゲット=京都競馬場
  2強対決を制し、エアメサイアが最後の1冠を手に入れた。ローズSの再現VTRのように、変則3冠を狙うラインクラフトが残り三百メートルで先頭に。直線は2頭の一騎打ちとなったが、首差差し切って悲願のG1タイトルを奪取した。次走はエリザベス女王杯(11月13日・京都)が濃厚で、初めて古馬と相まみえる。

 3歳牝馬の頂上決戦。ゴール前の死闘は、わずかにユタカ&エアメサイアに凱歌が上がった。今年のG1戦線をリードする2人の意地と意地のぶつかり合い。早め先頭で押し切りを図るユーイチ&ラインクラフトを確実に追い詰め、キッチリ首差捕らえた。

▼ 第10回秋華賞
1着  エアメサイア
武豊
1.59.2
2着 ラインクラフト
福永
クビ
3着 ニシノナースコール
横山典
3
 ユタカは最初から直線勝負にかけていた。道中はライバルを6馬身後ろから見る格好。「いつも以上に落ち着いていたので、エネルギーをタメるだけタメようと思った」。ゆったりした流れにも動じることはない。3角の坂の下りでユーイチが先に動いても、少しも慌てなかった。

 4角を回ってもその差はまだ5馬身ほど。「向こうが伸びて一瞬、離された。届かなかったら仕方ない」。腹をくくった。右ステッキ一発で相棒へ追撃の合図を送る。3馬身、2馬身。「直線はハラハラ。まだゴールが来ないでくれと思っていた」。測ったように差を詰め、捕らえたところがゴール板だった。

最後の1冠を制した武豊は伊藤雄師とがっちり握手=京都競馬場

 待望のG1タイトル。「ずっと乗ってきた馬で、最後の1冠が取れてうれしい」。98年に1番人気で3着に敗れ、G1無冠に終わった母エアデジャヴーの無念も晴らした。数々の名牝を育てた伊藤雄師も「上手に折り合っていた。最後は前走の倍以上に切れると思ってたから、乗り役がどういうふうに魅せてくれるか楽しみながら見てた」と余裕の笑みを浮かべた。

 「状態を見ながら」(同師)だが、今後は古馬の待つエリザベス女王杯が濃厚だ。「これからはG1ホースとして出るレース。楽しみにしたい」とユタカ。次週に迫ってきた歴史的大仕事へ、最高の流れができた。(森本公久)

エアメサイア…牝3歳。父サンデーサイレンス、母エアデジャヴー(母の父ノーザンテースト)。馬主・(株)ラッキーフィールド。生産者・千歳社台ファーム。戦績・8戦4勝。重賞・05年ローズS。総収得賞金・250、072、000円。
 伊藤雄二調教師は02年ファインモーションに次いで2勝目、武豊騎手は98年ファレノプシス、02年ファインモーションに次いで3勝目。

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