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天皇賞(秋)

 ロマンス降臨 天覧レースは大波乱

2005/10/30・東京競馬場
 
連覇を狙うゼンノロブロイ(左)を競り落としたヘヴンリーロマンス(中)がG1初制覇=東京競馬場
  “牝馬の松永”が見事なエスコート。天皇・皇后両陛下がご臨席して行われた秋の盾は、松永騎乗の14番人気ヘヴンリーロマンスが鋭く伸びてG1初制覇。牝馬としては8年ぶりの天皇賞制覇となった。道中は中団の内ラチ沿いをピッタリ追走し、直線抜け出すと最後は1番人気のゼンノロブロイとの追い比べを頭差制した。13番人気のダンスインザムードが3着に入り、3連単はG1史上2位の122万6130円と大波乱となった。

 ウイニングランを終え、スタンド正面に戻ってきたウイナーとジョッキー。松永はヘヴンリーロマンスの上でヘルメットを脱ぐと、ご観覧された天皇皇后両陛下に深々と頭を下げた。天皇賞がエンペラーズカップとして行われるようになってから今年で百年。西日に映えるその姿は、まるで馬上のナイトのように美しいシルエットを描いていた。

▼ 第132回天皇賞(秋)
1着  ヘヴンリーロマンス
松永
2.00.1
2着 ゼンノロブロイ
横山典
アタマ
3着 ダンスインザムード
北村宏
クビ

 湧きあがる歓声を突き破るように、人馬が府中のターフを躍動した。道中は、昨年の年度代表馬ゼンノロブロイをぴたりとマークするかのように中団をキープ。直線で最内から伸びると、最後はロブロイを競り落として、悲願のG1制覇を果たした。

 「G1の中のG1を勝てて嬉しいです」。輝くような“ミッキースマイル”がこぼれる。「最強馬を負かしてくれた。最後は(ロブロイに)一度出られたけど、よく差し返してくれた。低評価だったけど、力はあると信じていた」。デビュー以来、主戦を務めてきたパートナーをねぎらった。

鞍上で天皇、皇后両陛下に深々と一礼した松永幹夫騎手=東京競馬場

 これまで松永がJRAで制した5度のG1は、いずれも牝馬限定戦。念願の天皇賞も牝馬で仕留めたところが、いかにもミッキーらしい。自きゅう舎の馬では初めてのG1勝ち。再来年2月で定年を迎える山本師にとっては最高のプレゼントになった。「最後の最後でG1を勝ってくれたという思い。勝てんで終わるのかなという気持ちもあっただけに嬉しい」。愛弟子と一緒につかんだ勝利に、頬を紅潮させた。

 もちろんロマンスの頑張りも素晴らしかった。「掲示板に載れば“御の字”と思っていた。この後はエリザベス女王杯を使う予定だったけど、これで選択肢が広がったね」と、さらなる活躍を願う。ようやく開花した晩成のヒロイン、そして松永の殊勲に、最高の笑顔を見せていた。(岡 浩司)

ヘヴンリーロマンス…牝5歳。父サンデーサイレンス、母ファーストアクト(母の父サドラーズウェルズ)。馬主・(有)ノースヒルズマネジメント。生産者・新冠 ノースヒルズマネジメント。戦績・31戦8勝。重賞・04年阪神牝馬S、05年札幌記念。総収得賞金・391、239、000円。山本正司調教師、松永幹夫騎手ともに初勝利。

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