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マイルチャンピオンシップ

 G前強襲 ハットトリック新マイル王だ

2005/11/20・京都競馬場
 
粘るダイワメジャー(左から2頭目)をゴール前で交わし、G1初Vを決めたハットトリック(左)=京都競馬場
  ペリエマジックだ。リキアイタイカンが右肩ハ行で出走を取り消し17頭で行われ、3番人気ハットトリックが粘るダイワメジャーをゴール前でかわし、G1初Vを決めた。勝ちタイム1分32秒1はレースレコードで、コースレコードタイ。01年のゼンノエルシド以来2勝目のペリエは、6年連続12回目のJRAG1制覇となった。1番人気デュランダルは8着。JRA史上初の同一G1・3連覇はならなかった。

 最後まで分からなかった。内から先頭に躍り出たダイワメジャーだけを見つめて、ペリエとハットトリックは直線外めから猛然と追い込む。「後方のデュランダルを意識する余裕もなかった。ただ一生懸命に追った」と振り返った世界的名手。必死だった。ただ夢中でゴールへ飛び込んだ。

▼ 第22回マイルチャンピオンシップ
1着  ハットトリック
ペリエ
1.32.1
2着 ダイワメジャー
ルメール
ハナ
3着 ラインクラフト
福永
1

 果たして勝ったのか。検量室前に引き揚げてきた鞍上は関係者の笑顔に迎えられ、ようやく確信した。馬上でニッコリ笑って、左手で小さなガッツポーズ。「よく走ってくれた」。上がり3F33秒3の脚を繰り出したパートナーをねぎらい、美酒に酔いしれた。

 まさに“ペリエマジック”だった。発馬で少し後手を踏みながらスッと押し上げる。そして最後まで脚をためるのではなく、3角過ぎの下り坂から早めに動く大胆騎乗。攻撃的なアクションに、ハットトリックも見事に応え、鼻差で初めての栄冠をつかみ取った。

勝利騎手インタビューでガッツポーズを見せるペリエ騎手=京都競馬場

 角居師も絶賛だ。「この末脚を一番いいレースでペリエがうまく引き出してくれた」。鞍上に後方待機策を託した前走の天皇賞・秋では7着に沈んだ。今回はあえて指示を出さず、その手腕を信じ切った。腹をくくり、すべてを託したことで最高の結果をつかんだ。

 幼いころは体質が弱かったハットトリックは、牧場でも病気や骨折を経験した。それが「カイバもしっかり食べられるし、輸送にも神経を使わない」と新鋭トレーナーも認めるほどに成長。そしてハードな調教に耐えて、ついにG1ホースにまで上り詰めた。

 夢は国内にとどまらない。すでに香港マイル(12月11日・シャティン競馬場)に登録を済ませている。招待されれば、現実味を帯びてくる海外遠征。「世界的に見てもタイム、切れ味は引けを取らない」とペリエ。日本の新マイル王が、世界に羽ばたく日は近い。(岡 浩司)

ハットトリック…牡4歳。父サンデーサイレンス、母トリッキーコード(母の父ロストコード)。馬主・(有)キャロットファーム。生産者・追分 追分ファーム。戦績・12戦7勝。重賞・05年京都金杯、東京新聞杯。総収得賞金・231、590、000円。角居勝彦調教師は初勝利、O・ペリエ騎手は01年ゼンノエルシドに次いで2勝目。

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