阪神ジュべナイルフィリーズ |
伏兵プリキュア 無敗の2歳女王 |
2005/12/04・阪神競馬場 | ||||||||||||||||||||||
雷雨がぬらす重い馬場。ガムシャラに、あきらめず追ったその先に栄冠はあった。勝負どころから手応えが怪しくなったテイエムプリキュアに鞍上の“喝”が入る。追い通しのまま直線に向かうと、伸びあぐねる他馬をしり目に先頭でゴールを駆け抜けた。
左手の薬指にキスをする味な演出で喜びを表現した熊沢は10月23日に入籍したばかり。約1カ月のわずかな間に、人生のパートナーを、そしてプリキュアという新たなヒロインを見事にエスコートした。91年有馬記念のダイユウサク以来のG1制覇に「うれしい。もう忘れかけていたから。上に従順でいい根性をしているし、前に出ようとする気持ちが強いんです」とほおを緩ませた。
「ありがとう」と鞍上を出迎えた五十嵐師はG1初勝利だ。「うれしい。それしかない。G2もG3勝ちもないんだから、どう表現していいか分からない」。騎手時代も決して目立つ存在ではなかった。最高の出会いは91年のオークス馬イソノルーブル。新馬戦から主戦として4連勝。しかし、桜花賞の前哨戦を前にその鞍を譲ることとなった。あれから14年―。調教師となり、長く待ち望んでいた悲願のG1制覇に笑顔が途切れることはなかった。 3戦3勝。無敗のG1馬として、来春の桜花賞をにらむ。「終わったばかりで興奮して…何も考えられない」。苦労人のトレーナーと、いぶし銀の鞍上。そして、決して派手とは言えない2歳女王が、クラシックシーズンを楽しみに待つ。(井上達也) |
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