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スーパーホーネットの追撃を抑えてフサイチリシャール(左)が4連勝でG1初制覇=中山競馬場 |
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会心の頂点奪取だ。スロクハイネス、フェイクフェイスの出走取り消しにより14頭で行われ、2番人気の福永騎乗フサイチリシャールが4連勝で2歳王者に輝いた。道中は2番手を追走し直線で早めに先頭に躍り出ると、最後はスーパーホーネットの猛追を首差しのいだ。新種牡馬クロフネは初年度産駒がいきなりG1制覇の快挙。1番人気のジャリスコライトは直線伸び切れず3着に終わった。
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第57回朝日杯フューチュリティーステークス |
1着 |
フサイチリシャール |
福永 |
1.33.7 |
2着 |
スーパーホーネット |
内田博 |
クビ |
3着 |
ジャリスコライト |
デザーモ |
3/4 |
完勝だった。スタートで若干遅れたが、フサイチリシャールはスピードの違いで楽に2番手に取り付いた。スローペースにもスムーズに折り合う。余裕の手応えで直線を迎えると、早々と先頭へ。最後はスーパーホーネットの猛追を首差で振り切った。「ペースは遅くなると思っていたし、2番手でうまく脚をためることができた。あとは追い出しのタイミングだけだった。最後まで脚も残っていたからね」。思い描いた通りのレース運びで今年5度目のG1制覇。福永は会心の勝利に笑みを浮かべる。
前日の中京2Rで落馬負傷し左手首を痛打した。その後は騎乗できず、以降は乗り替わりに。この日も騎乗が心配されていたが、痛み止めの注射を打ち、出走へ間に合った。「ドラえもんみたいでしょ」と、ハレた左手首を見せながら周囲を笑わせた。「中途半端な状態では出たくはなかった。朝起きるときは怖かったけど、痛み止めを打って、騎乗する分にはさしつかえなかったからね。体がこらえてくれた。よかったですよ」。しっかりと答えを出しホッとした様子だった。
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スタンドの観客の歓声に応える関口房朗オーナー(左)と福永=中山競馬場 |
いきなりG1ウイナーを送り出した新種牡馬クロフネ、母フサイチエアデールともに、現役時代に管理していた松田国師は感慨もひとしお。「ウチのきゅう舎の根幹の馬の血統。花が咲いてくれてうれしい」と喜んだ。来年の目標は皐月賞(4月16日・中山)からNHKマイルC(5月7日・東京)へ。「スピード、瞬発力、スタミナ、乗りやすさ。マイラーという感じはない、今のところ言うことはありません」と福永も後押しする。多くの可能性を秘めた2歳王者は、06年も主役の座を譲るつもりはない。(中江 寿) |