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フェブラリーステークス

国内最強証明!
カネヒキリ ダート王者は譲らない

2006/02/19・東京競馬場

▼ 第21回フェブラリーステークス
1着 
カネヒキリ
武豊
1.34.9
2着
シーキングザダイヤ
ペリエ
3着
ヒシアトラス
蛯名
   
 正真正銘のダート王者だ。カネヒキリが1番人気に応えて快勝。残り二百メートルで先頭に立ち鮮やかに伸びた。これでダートG1は4勝目。前走のJCダートとG1連覇を飾った。次走はアラブ首長国連邦で開催されるドバイワールドC(3月25日・ナドアルシバ競馬場)に挑戦する。鞍上の武豊は、前人未到の19年連続G1勝ちを達成。2着はまたしてもシーキングザダイヤ。G1で7度目の銀に終わった。
1番人気のカネヒキリ(中央)が直線抜け出して快勝=東京競馬場
 

 【3馬身差4つ目「金」】

 栗毛のボディーが、パワフルに躍った。まさに完勝だった。王者カネヒキリは府中の直線を楽しむように伸びた。後続につけた3馬身差が最強の証明。もはや国内にライバルはいない。武豊が鞍上でつくった歓喜のガッツポーズは、同時に世界制覇への手応えを物語っていた。

「ダートチャンピオンとして、いいレースをしたいと思っていた。いいステップを踏めた」とユタカはホッとしたように話した。府中のマイル戦は過去に唯一、ダートで敗戦を喫しているコース。リベンジをかけた戦いで、見事に勝利をもぎ取ったのだ。

 課題だったゲートも「いいスタートを切れた」と難なくクリア。ハイペースの流れを中団で追走し、最後は上がり35秒7の末脚を爆発させた。「こんなにきれいに勝てるG1なんてなかなかないよ」と19年連続G1勝ちを更新した名手も、思わず感嘆の声を上げた。

19年連続のG1Vを今年最初のG1で達成した武豊(右)は、プレゼンターの眞鍋かをりから花束を贈られ笑顔

 昨年のJCダートを勝って以来、3カ月ぶりの実戦。休み明けを不安視する声もあったが、角居師は「牧場で疲れを取ったことが、一番の勝因」と笑う。休養効果でパワーアップ。現在のたくましい馬体からは、体質が弱かった若駒のころのイメージは全く感じられない。

 いよいよ次はドバイワールドC挑戦だ。日本馬ではユタカに導かれた01年トゥザヴィクトリーの2着が最高。世界の最高峰へ、日本競馬界の悲願達成をかけて乗り込むことになる。「世界を相手にするのに、あと何が必要か考えたい」と指揮官。“世界獲り”の夢実現が、どんどんと膨らんできた。

 【ダイヤ無念…G1で7度目「銀」】

 届かなかった。打倒カネヒキリを目指したシーキングザダイヤだったが、3馬身差の完敗で2年連続2着。悲願のG1初制覇はならず、無念の7度目の銀に終わった。

 道中はメイショウボーラー、トウショウギアの激烈先行を見ながら4番手で流れに乗った。折り合いもついてまさに絶好のポジション。だが4角から突然外の視界に出現したカネヒキリのド迫力に、ペリエも驚かされた。「スタートもスムーズでいい感じだったんだけど…。勝った馬の勢いが違った」鞍上自身は3年連続2着。00、01年と連覇した後、毎年のように悔しい思いをしているが、今年の表情はむしろサバサバしていた。

 森師も「こちらもうまく乗ってるけどじりっぽいところが出てしまった。完敗だね。向こうが強かった」と振り返った。次は海の向こう、ドバイWCでリベンジに挑む予定だ。

 【ユートピア 健闘「銅」】

  昨年の15着から大躍進、ユートピアが3着。離れた3番手から直線でしぶとく伸びると、最後までシーキングザダイヤと激しい2着争い。懸命に盛り返したが頭差及ばなかった。それでも地力は証明した。「少し強引だったけど、厳しい流れの中でよく我慢してくれた。右回りより、左回りの方が全然走り方がいいね」と安藤は健闘を称えた。

 
カネヒキリ…牡4歳。父フジキセキ、母ライフアウトゼア(母の父デピュティミニスター)。馬主・金子真人ホールディングス(株)。生産者・早来 ノーザンファーム。戦績・12戦8勝(うち地方2戦2勝)。重賞・05年ユニコーンS、ジャパンダートダービー(大井)、ダービーGP(盛岡)、ジャパンCダート。総収得賞金・418、229、000円(うち地方100、000、000円)。角居勝彦調教師は初勝利、武豊騎手は03年ゴールドアリュールに次いで2勝目。

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