フェブラリーステークス |
国内最強証明! 2006/02/19・東京競馬場 |
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正真正銘のダート王者だ。カネヒキリが1番人気に応えて快勝。残り二百メートルで先頭に立ち鮮やかに伸びた。これでダートG1は4勝目。前走のJCダートとG1連覇を飾った。次走はアラブ首長国連邦で開催されるドバイワールドC(3月25日・ナドアルシバ競馬場)に挑戦する。鞍上の武豊は、前人未到の19年連続G1勝ちを達成。2着はまたしてもシーキングザダイヤ。G1で7度目の銀に終わった。 | ||||||||||||||||||
【3馬身差4つ目「金」】 栗毛のボディーが、パワフルに躍った。まさに完勝だった。王者カネヒキリは府中の直線を楽しむように伸びた。後続につけた3馬身差が最強の証明。もはや国内にライバルはいない。武豊が鞍上でつくった歓喜のガッツポーズは、同時に世界制覇への手応えを物語っていた。 「ダートチャンピオンとして、いいレースをしたいと思っていた。いいステップを踏めた」とユタカはホッとしたように話した。府中のマイル戦は過去に唯一、ダートで敗戦を喫しているコース。リベンジをかけた戦いで、見事に勝利をもぎ取ったのだ。 課題だったゲートも「いいスタートを切れた」と難なくクリア。ハイペースの流れを中団で追走し、最後は上がり35秒7の末脚を爆発させた。「こんなにきれいに勝てるG1なんてなかなかないよ」と19年連続G1勝ちを更新した名手も、思わず感嘆の声を上げた。
昨年のJCダートを勝って以来、3カ月ぶりの実戦。休み明けを不安視する声もあったが、角居師は「牧場で疲れを取ったことが、一番の勝因」と笑う。休養効果でパワーアップ。現在のたくましい馬体からは、体質が弱かった若駒のころのイメージは全く感じられない。 いよいよ次はドバイワールドC挑戦だ。日本馬ではユタカに導かれた01年トゥザヴィクトリーの2着が最高。世界の最高峰へ、日本競馬界の悲願達成をかけて乗り込むことになる。「世界を相手にするのに、あと何が必要か考えたい」と指揮官。“世界獲り”の夢実現が、どんどんと膨らんできた。 【ダイヤ無念…G1で7度目「銀」】 届かなかった。打倒カネヒキリを目指したシーキングザダイヤだったが、3馬身差の完敗で2年連続2着。悲願のG1初制覇はならず、無念の7度目の銀に終わった。 道中はメイショウボーラー、トウショウギアの激烈先行を見ながら4番手で流れに乗った。折り合いもついてまさに絶好のポジション。だが4角から突然外の視界に出現したカネヒキリのド迫力に、ペリエも驚かされた。「スタートもスムーズでいい感じだったんだけど…。勝った馬の勢いが違った」鞍上自身は3年連続2着。00、01年と連覇した後、毎年のように悔しい思いをしているが、今年の表情はむしろサバサバしていた。 森師も「こちらもうまく乗ってるけどじりっぽいところが出てしまった。完敗だね。向こうが強かった」と振り返った。次は海の向こう、ドバイWCでリベンジに挑む予定だ。 【ユートピア 健闘「銅」】 昨年の15着から大躍進、ユートピアが3着。離れた3番手から直線でしぶとく伸びると、最後までシーキングザダイヤと激しい2着争い。懸命に盛り返したが頭差及ばなかった。それでも地力は証明した。「少し強引だったけど、厳しい流れの中でよく我慢してくれた。右回りより、左回りの方が全然走り方がいいね」と安藤は健闘を称えた。 |
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