皐月賞 |
メイショウ勢クラシック初戴冠 2005/04/19・中山競馬場 |
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混戦の皐月賞を制したのは6番人気のメイショウサムソンだ。道中は好位で運び、直線鮮やかに抜け出した。キャリア22年目の石橋守はうれしいG1初制覇。「メイショウ」の冠名で知られる松本好雄オーナーは初のクラシック制覇となった。2着に10番人気のドリームパスポート、3着に2番人気のフサイチジャンクが入り、馬連、馬単ともに万馬券。3連単は27万円を超える波乱。1番人気に支持されたアドマイヤムーンは4着に敗れた。 | ||||||||||||||||||
【ダービーへまず1冠】
4角3番手から、直線は馬場のいい真ん中を選びリードした。22年目のベテランがガムシャラに追う。それに応えるサムソン。勝負根性むき出しの走りで後続の追撃を振り切り、先頭でゴール板を駆け抜けた。「最後は一生懸命追った。幸せな気持ちでいっぱいです。周りの人に感謝しています」。抑えきれない気持ちをストレートに表現した。 1番人気に支持されたきさらぎ賞は2着だった。石橋守はレース後、検量室裏のパトロール室でVTRを繰り返し見て、自分を責めた。相棒の成長を感じるたびに、G1勝ちを意識できる手応えをつかんでいただけに、喜びもひとしおだ。「馬を信じて競馬しようと思っていた。ありがとうと言いたい」。G1は42度目の騎乗。90年エリザベス女王杯、97年オークスでそれぞれ2着だった苦い経験もある苦労人が、デビュー戦から組むパートナーに感謝した。 2度目の皐月賞制覇に瀬戸口師は、応援に駆けつけた北橋元調教師と抱き合って喜んだ。「直線の坂あたりで何とかなるのではと思った。ダービーは距離が延びれば延びるほどいいと思っている。もちろんこの先も石橋君で」とトレーナーはダービーに視線を向けた。スプリングS、皐月賞はきゅう舎の先輩ネオユニヴァースが歩んだ道。2冠へ向けて歴史は繰り返される。 【オーナーも涙】 日本馬主協会連合会の会長を務める松本好雄オーナーは初のクラシック制覇に涙した。「感激しています。地味だけど、コツコツやってきた結果だと思う。馬はだんだんと強くなっていたし、内心はいいレースをしてくれるんじゃないかなと思っていた」と喜んだ。これまでに数々の重賞ウイナーを輩出しながらも、手の届かなかったクラシックのタイトル。悲願達成に周りのオーナー、調教師から握手攻めにあっていた。 【ドリームパスポート2着】 4コーナーでぽっかりあいた最内を攻めたドリームパスポートが、一気にはじけた。メイショウサムソンには届かなかったが、価値のある銀メダルを獲得した。高田は「内々でロスなく乗れた。道中の手応えが良かったので、伸びると思ったが、その通りになってくれた」と満面の笑み。デムーロが騎乗停止で、急きょ回ってきたチャンス。調教名人と呼ばれ、裏方に徹してきた苦労人が大舞台で最高の騎乗をみせた。 【フサイチジャンク届かず】 坂を上がって猛然と追い込んだフサイチジャンクだが、上位2頭とは決定的な差がついていた。「位置取りの差。1角でサムソンがすぐそばにいたので、そこで差を詰めていれば違ったかも。勝負どころで気合をつけてもズブいところがある。それが抜けてくれば、もっと良くなると思う」と岩田は無念の表情。ダウンタウンの浜田雅功とともに応援した関口房朗オーナーは「リシャールに期待しとったんやけど、逆の結果になってしまったな。でもこれでダービーが楽しみになった」と3億3000万円馬の成長力に驚いていた。 【アドマイヤムーン末脚不発】 末脚さく裂せず。1番人気に支持されたアドマイヤムーンは、道中後方から徐々に進出したものの、直線では自慢の末脚を繰り出せず4着に敗れた。引き揚げてきた武豊は「(敗因は)分からない。馬場のいいところを通ったし、もう少し直線は伸びると思ったんだけど…。ここ2回ほどの反応はありませんでした」とコンビを組んだ愛馬のレースぶりに首をかしげた。 |
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