NHKマイルカップ |
2週連続の豊マジック 2006/05/07・東京競馬場 |
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またしても武豊だ。直線の追い比べを見事に制し、3番人気のロジックを戴冠に導いた。先週のディープインパクトに続いて2週連続のG1勝利。早くも今年3度目のG1勝ちで、昨年に自身がつくった年間G1レース6勝の史上最多記録を上回るペースだ。1番人気のフサイチリシャールは6着に完敗した。アグネスタキオン産駒はこれが初G1制覇。ロジックは次走、日本ダービー(28日・東京)へ向かう。 | ||||||||||||||||||
【豊G1レース3勝目「うれしい誤算」】 火花散る叩き合い。ゴール前の長い直線、勝負は2頭のデッドヒートになった。外のロジックと内のファイングレイン。びっしりと馬体を合わせた追い比べにスタンドもヒートアップする。歓声の中でユタカがムチを振るい、ロジックが最後の最後でリード。わずかに首差だけ抜け出したところが、3歳マイル王に輝くG1ゴール。持っている力をすべて出し尽くしタイトル奪取を決めた。 栄光のゴールを駆け抜けた瞬間、ユタカは右腕を突き上げ、人さし指で力強く“No.1”をアピールした。「いいレースをしてくれるとは思っていたけど、まさか勝つまでとは。驚いている」。何度も何度も左腕でガッツポーズをつくった。 名手の想像を上回る伸び脚だった。「追いだしてからは、思っている以上の反応だった」とパートナーを絶賛した。好走の要因は何よりも気性の成長が大きかった。デビュー前から素質の高さが評判だったロジックだったが、精神的な強さを身につけたことで差し脚を生かす競馬を覚え、ようやく頂点を極めた。 フェブラリーSのカネヒキリ、ディープインパクトで制した天皇賞・春に続き、ユタカはこれで06年3度目のG1勝利。自身で築き上げた年間G1レース6勝の史上最多記録の昨年を振り返っても、3勝目は日本ダービーだった。今年はさらにハイペースで、前人未到の領域を目指している。 来週のヴィクトリアマイルは、エアメサイアを駆って自身初の3週連続勝利に挑むことになる。達成すれば01年のペリエ以来の快挙。記録ずくめのオトコにとって、それだけ今週の勝利が大きな意味を持ってくる。「正直あんまり自信がなかったけど、うれしい誤算だったね」と喜びをかみしめていた。 【蒔野きゅう務員「ユートピア級に」】 ロジックは、3月にドバイのゴドルフィンマイルを制し、世界的な大馬主ゴドルフィンへの売却が決まったばかりのユートピアと同じ、蒔野きゅう務員が担当。普段はクールな蒔野さんも、さすがにほおを紅潮させながら「ビックリした。ユートピアが乗り移ったみたい。ユートピア級の馬になってほしい」と喜んだ。橋口師も「ユートピアが勝たせてくれたんだよ」と、満面に笑み。夢は次走のダービーへと続いていく。 【ファイングレイン 惜しくも2着】 スムーズに先行して直線で、内からスルスルと抜け出したファイングレイン。迫るロジックに最後の最後まで抵抗したが、惜しくも2着に敗れた。「リズムよく走らせようと思っていた。うまく乗れたけど2着だから…。でも馬はよく頑張ったよ」と横山典。長浜師も「今までで馬の雰囲気は一番よかった。よく粘ってくれたね」と愛馬をねぎらった。ダービーには向かわない方針だ。 【フサイチリシャール 伸び欠き6着】 1番人気フサイチリシャールは、伸びを欠いて6着完敗。「止まってはいないが、2歳時のように体全体を使って伸びるようなことがなかった」。思わぬ敗退に福永は首をひねる。松田国師も「やるだけのことはやったし、今までになくいい体だったのに…」と納得いかない表情。「まだ終わったわけじゃないし、ダービーへ向けて頑張ります」と気持ちを切り替えていた。福永がダービーでマルカシェンクに騎乗するため、ボスとの新コンビが有力だ。 |
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