オークス(優駿牝馬) |
キャリア3戦で樫女王 2006/05/21・東京競馬場 |
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デビュー以来3連勝で大舞台に挑んだカワカミプリンセスが鮮やかに直線抜けだし。49年ぶりに無敗で樫のヒロインに輝いた。オークスのタイトルを手にした西浦調教師、本田のコンビは、01年のテイエムオーシャン(桜花賞、秋華賞)を合わせて牝馬3冠レースを完全制覇。なお、1番人気に押されたアドマイヤキッスは4着に敗れた。 | ||||||||||||||||||
【本田「自信あった」】 ヤマニンファビュルの大逃げに、3コーナーの欅(けやき)ではスタンドがどよめいた。だが、カワカミプリンセスは4角5番手で手綱を押さえてジッと我慢。先頭に躍り出たアサヒライジングを残り百メートルで捕まえるといぶし銀が放つムチにこたえてゴールを駆け抜けた。49年ぶりに無敗のオークス馬が誕生した。
47歳のベテランがほおを緩ませた。「自信はあった。止まる馬じゃないし、長く脚が使えるので早めにスパートした。やっぱり強い馬だよ。使うごとにレースぶりがよくなって、自信を持って乗らせてくれるようになった。5年前の借りを返すことができてうれしい」。通算5勝目のG1制覇になった本田はオークス最年長記録を達成。オークスは01年にテイエムオーシャンで3着に敗れた苦い経験のある舞台。雪辱に燃える西浦師とともに置き忘れていた勲章を手にした。 西浦師も短期間で成長した愛馬の姿に誇らしげだ。「走りや筋肉の付き方が見ていてわかるぐらいに良くなってきた。スイートピーSでここでもやれる自信を持った。だから今回も何事もなく回ってくれば結果が出ると思っていたからね」。デビュー85日目のオークス制覇は82年優勝馬シャダイアイバーに次ぐスピードV。連勝も“4”に伸ばし記録ずくめの快挙となった。「秋にはさらに成長した彼女を見せられると思う。今度はオーシャンで取れなかったエリザベス女王杯を」とさらなる飛躍を誓った。 まずは秋華賞でV2を目指す。早くも前を見据える指揮官は「これからが始まりです」と自らにカツを入れた。華やかな舞台の扉を開けたプリンセスが、秋にはさらに輝きを増すことだろう。 【フサイチパンドラ「銀」】 自身のオークス3連覇へ、福永は初コンビのフサイチパンドラをゴール前必死に追ったが、3/4馬身届かず2着だった。「うまく折り合ってたけど、ちょっとイレ込んでたのが最後に影響したかな」とユーイチ。パンドラ自身も2番人気の桜花賞14着から、よく巻き返したといえる。白井師は「うまく乗ってくれたね。やったかなと思ったけど…。秋華賞で巻き返しだ」と秋の飛躍を誓った。 【アドマイヤキッス4着】 桜花賞2着から雪辱をかけ1番人気に支持されたアドマイヤキッスは、直線伸び切れず4着に敗れた。武豊は「道中はフサイチパンドラの後ろで良い感じに進めたけど、直線は逆に離されてしまいました」と残念そう。松田博師は「調整も順調だったし、レースはあれでいいと思う。ただ悪いことではないんだけど、馬がおっとりしすぎなんですよね」と語った。今後は放牧に出てリフレッシュする予定。 【キストゥヘヴン6着】 2冠を目指した桜花賞馬キストゥヘヴンは直線、これまでの切れ味を見せることなく6着に敗れた。「直線は左にもたれて、内へ内へと行ってしまった。少し苦しそうだったし、前走のようにはじける感じがなかった」と安藤は振り返る。その点に関して戸田師は「芝コースは外側から半分が伸びませんでしたね。土曜の雨の影響もあったと思います。状態は良かっただけに、パンパンの良馬場でレースをさせてあげたかった」と残念そうに語った。 【コイウタ 右肩ハ行で競走中止】 歌手・前川清さんの持ち馬コイウタは、まさかの故障で競走を中止した。向正面の中ほど。中団につけていたが、突然フットワークが乱れた。そのままゆっくり減速すると、3角手前で走るのをやめた。診察の結果は右肩ハ行。「調整過程では何の問題もなかったのに…。ジョッキーは無理せず止めてくれたようだ。きゅう舎へ戻ってから、ちゃんと引き運動もできているから、最悪の事態だけは避けられた」。奥平雅師はガックリと肩を落としていた。 |
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