阪神ジュべナイルフィリーズ |
「新装阪神」でカンパ〜イ! 2006/12/03・阪神競馬場 |
|
|||||||||||||||||
新装された阪神競馬場の初代2歳女王にウオッカが輝いた。圧倒的1番人気のアストンマーチャンが早めに抜け出したところをゴール寸前にかわす戴冠劇。外回り474メートルの直線をフルに生かした豪快な末脚で、同じ舞台で行われる来年の桜花賞候補に躍り出た。3年ぶりのG1制覇に四位も満面の笑みを浮かべた。 | ||||||||||||||||||
【「期待の馬」で四位万感】 真正面から冷たく吹き下ろす六甲おろし。四位のこん身の左ステッキがそれを吹き飛ばし、ウオッカをVへと導いた。新装された仁川の初代女王は鋭く強烈な決め手でファンを酔わせた。
「ビックリしました。あの馬(アストンマーチャン)の力が抜けていると思ってたからね。ジョッキーがうまく乗ってくれました。お見事です」。目を丸くしながら角居師が絶賛した。素質を信じて疑わなかった四位の好騎乗が、冬に一輪の花を咲かせた。 「強いのが1頭いるし、後ろからだったら無理。内枠だったし、スタートを決めて好位を進もうと思っていた。センスがあって、もともと期待していた馬だからね。こういう形で勝ててよかった」。デビュー前からケイコをつけていた。03年にヤマニンシュクルでこのレースを制して以来、3年ぶりのGI制覇に自然と笑みがこぼれた。 道中は大本命馬を見ながら、好位の内々を進む絶好の流れ。直線でうまく外へ持ち出すと、左ステッキを繰り返した。遠かった“存在”が一完歩ずつ近づいてくる。そして最後のひと伸び。ついにとらえた。 前走の黄菊賞で手応えをつかんだ。スローで折り合いに苦労しながら、キャリア1戦の身で2着を確保。GIの流れなら折り合いはつく。「多少は掛かっていたけど、うまく我慢してくれた。ずっとユタカさんが前にいたし、いい目標になってくれた。(最後は)なんとかかわしてくれって感じだったよ」。 3戦のキャリアで2歳女王の座を射止めた。今年が初年度産駒となる父タニノギムレットに、初のビッグタイトルもプレゼント。早くも来春の桜へと夢は膨らむ。「課題?今日のところは100点。あとはボクが乗り代わりにならないようにしないとね」と四位は笑う。ウオッカの強さにしばし酔いしれた。 【オーナー感激!「本当に強い」】 父タニノギムレット、母タニノシスターという愛馬の子でのG1勝利。オーナーブリーダー谷水雄三氏の喜びもひとしおだ。「ギムレットの子だからさらに強い度数のお酒の名前を付けました。それにストレートの方が強いから“タニノ”の冠を付けなかったんです。本当に強かったですね」とウオッカの名の由来を説明した。「新馬戦を勝ったときに“オークス”というイメージを持ちました。でもどんな距離でも対応できそうですね」と来春の活躍を期待していた。 【マーチャン無念…桜でリベンジを】 単勝1・6倍という圧倒的なファンの支持を集めたアストンマーチャンだったが、その思いは届かなかった。「惜しかったね。でもよく頑張ったよ。距離は大丈夫だったんだけど、勝ち馬が強かったね」。武豊は素直に相手の力を称えた。 474メートルの長い長い最後の直線。内ラチ沿いぴったりを進んでいたユタカは、前が開くのを待ち、満を持して追い出した。反応よくあっさり先頭に立つ。あと少しで栄光のゴールだ。しかし外から来たウオッカの強烈な決め手に屈し2着。新コース初代女王の称号を得ることはできなかった。 千六の距離と直線の坂。初めての経験は、きっと今後の糧となるはずだ。この後は放牧に出され来年に備える予定。石坂師は「やっぱり少し行きたがってたね。今回のことを春に生かしたい」と、桜の舞台でのリベンジを誓い、言葉少なに競馬場を後にした。 【ルミナスハーバー 見せ場つくり3着】 積極策を取ったルミナスハーバーだったが、結果は3着。予想外のハナに、小牧は「ためる競馬はできるだけしたくなかったんだ。ある程度行かせるつもりだったけど、反応が良すぎてハナに行ってしまった。それでも直線はやったかなと思ったんだけど…」と悔しそうだった。直線半ばまでは先頭。見せ場はつくったが、前半3F通過が34秒4のハイペースに泣く格好となった。 【イクスキューズ 外枠ロスで5着】 イクスキューズが関東馬の最先着となる5着。直線は内めをしぶとく伸びたが、最後は逃げたルミナスハーバーも捕まえることができなかった。「行かせると掛かり気味に行ってしまうから、今日はゲートをフワッと出したんだ。でも、上位馬は楽に好位に付けていたからね。前半に脚を使う形になったし、外枠はロスが大きいよ」と藤田は(16)番枠を恨めしがった。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
|