朝日フューチャリティーステークス |
2歳王者だドリームジャーニー 2006/12/10・中山競馬場 |
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ステイゴールド産駒のドリームジャーニーが直線一気の強襲で2歳王者に輝いた。開業3年目の池江泰寿調教師は、うれしい重賞初VがGIの快挙。蛯名は、4年ぶりのG1タイトルを手にした。2着にはローレルゲレイロが入り、圧倒的1番人気のオースミダイドウは3着に終わった。 | ||||||||||||||||||
【上がり最速!蛯名4年ぶりG1制覇】 他の馬が止まって見えた。最後の直線。ドリームジャーニーが驚異の末脚をさく裂させた。GOサインを受けると、放たれた矢のような鋭い伸び。一瞬にして12頭をごぼう抜きにした。上がり3F34秒0はメンバー最速。怒とうの追い込みで2歳王者に輝いた。
「“軽く”飛びましたね」。蛯名は控えめにディープインパクトに例えて振り返った。スタートで後手を踏み、離れた最後方のポジション。だが、慌てることはなかった。道中は人馬の呼吸を合わせることに専念。折り合いを欠いた東スポ杯2歳Sの教訓を生かした。「本当にきれいに折り合ってくれた。GOサインを出せば、いつでも動ける状態。外に出すのは直線だけで十分だと思っていた」。仕掛ける時を待つだけだった。 蛯名にとっては久々のGI制覇。02年マイルCSのトウカイポイント以来、4年ぶり。「焦りはなかったよ。一生懸命やっていれば、いいことはあるだろうと思っていたから」。円熟味を増した37歳は、喜びを静かにかみしめていた。「関係者、馬に感謝したい」と話した。 池江寿師も笑顔だ。ジャーニーの父ステイゴールドは、父・池江郎きゅう舎での助手時代に担当。引退レースの01年香港ヴァーズでは追い込んで勝利を飾った。「思い出したね」と“孝行息子”に父を重ねた。開業3年目での重賞、G1初制覇につながった。「かなり挑戦していたので、やっと勝てたという気持ち」と安どの表情を浮かべた。 今後は栗東トレセン近郊のグリーンウッドへ放牧に出て英気を養う。再始動は「皐月賞トライアルのどれか」と、弥生賞(3月4日・中山)かスプリングS(3月18日・中山)が有力。ジャーニーは陣営の夢を乗せてクラシック路線を歩む。 【父・池江郎師も笑顔「こんな喜びもあるんだね」】 池江郎師も息子のG1勝利に破顔一笑だ。「こんな喜びもあるんだね。直線だけでの差し切り。ディープのマネをしよったなあ。つらいこともあったけど、神様はちゃんと見てくれていた」とうなずいた。父ステイゴールドも母父メジロマックイーンも自らが手掛けたゆかりの馬とあって喜びは深い。「お父ちゃんはなかなかG1を勝てなかったのに。あとは泰寿に聞いてやってください」と表彰台へ温かい視線を送った。「ディープはすべて順調です」。2週間後に迫る大一番に向けて勢いがついた。 【勝利目前で…ゲレイロ悔し2着】 ローレルゲレイロはデイリー杯2歳Sで敗れたオースミダイドウを早めに負かしにいき、いったんは完全に先頭。勝利目前でドリームジャーニーの強襲に屈した。「ダイドウが思ったより早くバテてしまい、勝ち馬に差し込まれてしまった。ただ内容には満足している」と本田はサバサバした表情。昆師は「下馬評が低かったから結果には満足。ケイコをビシビシ積んでプラス14キロ。成長を感じた」と愛馬の好走を称えた。 【直線伸びずオースミダイドウ3着】 単勝2・1倍の1番人気に推されたオースミダイドウは、ハナを切ってから口向きの悪さを出しっぱなし。その影響か、直線は思ったように伸びず3着に敗れた。「同じペースで行ったけど道中で外に振られた。もっと伸びる馬だが…」とペリエもお手上げ。中尾正師はさばさばした表情で「外へ外へ向く。返し馬、調教では見せないんだけどね。前に馬を置いた方がいいのかな。今後はひと息入れて考えます」と春の巻き返しを誓っていた。 |
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