ヴィクトリアマイル |
コイウタ凱歌 2007/05/13・東京競馬場 |
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コイウタが歓喜の歌声を上げた。12番人気の低評価だったが、好位追走から直線で内を突く松岡の好判断が光って見事V。馬自身だけでなく、鞍上の松岡、奥平きゅう舎、オーナーで歌手の前川清さん(前川企画)にとっても初めてのGI制覇となった。2着に9番人気のアサヒライジング、3着は8番人気デアリングハートが入って3連単は228万3960円。先週のNHKマイルCに続き、またしても大波乱の決着となった。 | ||||||||||||||||||
【好騎乗松岡初G1、母の日に最高のプレゼント 】 ▽12番人気 母の日に最高のプレゼントを贈った。逃げ込みに入ったアサヒライジングを半馬身、捕らえてゴール。コイウタの鞍上で、松岡が大きく、大きく右腕を上げた。「1カ月前からたぶん勝つと思って招待した」。スタンドには母優子さんと父正治さんの姿があった。最高の孝行息子はその直感の通り、見事大観衆の前でヒーローになった。 「皐月賞(サンツェッペリンで2着)が悔しかったから、(ガッツポーズが)大きく出ちゃいましたね。でも半分、頭が真っ白になった」。レース後しばらくすると、そう言って喜びをかみしめた。レース内容は完ぺき。直線での進路について「外にスペースがなかったから、あえて内を選んだ」というが、前半に騎乗したレースでの感覚から「馬場のどのあたりを通ればいいかは見当がついていた」と最高のVロードを走り抜けた。 開業3年目の奥平師も「何人の方と抱擁したか分からないくらいうれしかった」と素直に喜びを語った。GIの口取りは、義父の奥平真治元調教師が手がけた86年オークスのメジロラモーヌ以来で、当時はまだ中学1年生だった。「関東の馬が関東のジョッキーで勝てたことが最高にうれしい。僕が調教師になる前から見ていた馬もいて、本当にすごいメンバーの中で勝ってくれた」と満面の笑みで愛馬を称えた。 ▽海外挑戦 この日の勝利で、夢が大きく膨らんだ。コイウタの名付け親でもある社台ファーム代表の吉田照哉氏は、7月7日に米・ハリウッドパーク競馬場で行われるキャシュコールマイル(GII・芝約1600メートル)への参戦を表明。これを受けた奥平師も「この馬が僕らに(海外遠征の)経験をさせてくれる予感をもっている」と前向きに語った。GIの勲章を手に世界の舞台へ―。コイウタの挑戦が、新たなページを開こうとしている
【カワカミプリンセス10着、人気馬惨敗…春GIまた大荒れ、スイープトウショウ9着】 ▽カワカミ”初黒星”武幸「申し訳ない」 1番人気カワカミプリンセス、2番人気スイープトウショウはともに伸びず。228万馬券の、裏の立役者になってしまった。 10着に敗れたカワカミはダッシュが付かずに後方の位置取り。流れに乗れないままレースを終えた。西浦師は「馬は最高に良かった。ただ、流れ的に苦しかった。マイルの流れを1回でも経験しておけばな。コーシローに悪いことをした。次の宝塚記念で巻き返しを図りたい」とショックを隠せない。武幸も青ざめた表情で「ほかの馬よりもあとにゴールしたことのない馬で負けたのだから、カワカミ、関係者、ファンの方に申し訳ないです」と唇をかみしめた。 スイープも末脚不発の9着。「ゲートはタイミングが合って出たけど、前が残る流れだったからね。展開がうまく向かなかった」と落ち着いた流れに、池添もお手上げの様子だった。 【デアリング外枠に泣く】 外枠がアダになった。デアリングハートは3着。直線しぶとく脚を伸ばしたが、勝ち馬との差はなかなか詰まらなかった。「一番いい位置に付けられたし、今までで一番折り合いが付いた。ただ、上位の馬よりも距離のロスがあるし、それを考えると枠の差もあるんだろうな」と藤田は悔しがった。自身は2着だったNHKマイルに続く惜敗。「惜しかったな。あそこまで行ったら勝ちたかった」と肩を落としていた。
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