2007/11/24 東京競馬場
▼第8回ジャパンCダート | |||
1着 | ヴァーミリアン | 武 豊 | 2.06.7 |
2着 | フィールドルージュ | 横山典 | 1 1/4 |
3着 | サンライズバッカス | 安藤勝 | 3 1/2 |
武豊騎乗の1番人気ヴァーミリアンが激流の中から一気に抜け出し、ダート界の頂点に立った。2分6秒7のタイムは、カネヒキリの持つ記録を1秒3短縮するコースレコード(レースレコードは、東京改修前の01年にクロフネが記録した2分5秒9)。昨年のアロンダイトに続く連覇を果たした石坂師は、今春4着に敗れたドバイWCへの再挑戦を宣言した。
ジャパンカップダートを制し、ヴァーミリアンの鞍上の武豊も大きくガッツポーズ=東京競馬場
【石坂師は連覇】
これが再び世界を目指す脚だ。ヴァーミリアンが悲願のJRA・GT制覇で、ダート王の座に君臨した。
「スタートも五分に出てくれたし、4角まですべてうまくいった」と武豊。課題のスタートも決まり、道中は中団よりやや後ろ。「(流れが)速くなりそうだったので、ほかにつられないようにマイペースで行こうと思っていた」。先行馬がバテた最後の直線、先に抜け出したフィールドルージュの外から襲いかかると、一気にかわし去った。
ジャパンカップダートを制したヴァーミリアンと武豊
【藤岡佑悔し〜戴冠またお預け】
必死に右ムチを振るった。栄光のゴールはすぐそこ。だが、スーパーホーネットの前には、ダイワメジャーの姿があった。激しい追い比べ。先に抜け出した王者に迫りはしたが、届かない。わずか首差。05年朝日杯FSと同じ差で、またもGI初制覇は夢と散った。
「必死だった。めっちゃ不細工な追い方だった。これが経験の差なのかな」。藤岡佑は悔しさを自分にぶつけた。GI初Vを目指した21歳の若武者に、47歳の安藤勝が立ちはだかる。直線では、したたかに馬体を合わせてきた。「寄せにきていた。あれが真骨頂ですね」と肩を落とす。メジャーは併せ馬の形になると、しぶとさを発揮する。それが分かっていただけに、「ボクも勝ちパターンだけど、向こうも勝ちパターン。違う競馬もあったのでは」と無念を吐き出した。
状態は最高だった。「パドックも返し馬も最高。ジョッキーも最高にいい競馬をしてくれた。勝った馬が強かった。相手をほめるしかない」。矢作師はすがすがしいほどの表情で人馬をねぎらう。念願の美酒はお預けとなったが、また挑戦すればいい。次走は阪神C(12月16日・阪神)を予定。「次へ向けて、もうひとつ戦いのギアを上げていく」と雪辱を誓った。
今年も届かなかった。直線早めに先頭に立ったが、フィールドルージュは2着に終わった。「馬の状態は最高だったし、力も出し切れたと思う。でも相手が悪すぎた。強いよ、あの馬は」。横山典は勝ったヴァーミリアンをたたえた。西園師は「悔しい!」を連発。「去年より状態は良かったのに…。でも、馬の出来も乗り役さんも最高だった」。昨年3着、今年が2着だっただけに「来年こそは金メダルを」と誓っていた。
サンライズバッカスは直線で追い込んできたものの3着まで。前2年(ともに5着)よりも着順を上げたものの、今年2月のフェブラリーSに続くJRA・GT制覇は夢に終わった。「状態は良かったよ。できれば直線は外に出したかったけど、狭いところを嫌々抜け出した感じだった。スムーズなら結果は違っていたと思う」と安藤勝は悔しそうな表情。しかし、春の王者の力は見せた。今後もダート界の王道を進む。。
ヴァーミリアン…牡5歳。父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ(母の父サンデーサイレンス)。馬主・(有)サンデーレーシング。生産者・早来 ノーザンファーム。戦績・20戦9勝(うち地方5戦5勝、海外1戦0勝)。重賞・04年ラジオたんぱ杯2歳S、05年浦和記念、06年ダイオライト記念、名古屋GP、07年川崎記念、JBCクラシックに続き7勝目。総収得賞金・571、569、500円(うち地方280、000、000円、海外35、748、500円)。石坂正調教師は06年アロンダイトに続き2勝目、武豊騎手は01年クロフネ、04年タイムパラドックス、05年カネヒキリに続き4勝目。