済々黌が頭脳星!ドカベン野球で追加点

 「高校野球・2回戦、済々黌3‐1鳴門」(13日、甲子園)

 甲子園の大舞台で再現されたのは、野球マンガ「ドカベン」で知る人ぞ知るプレーだった。熊本屈指の進学校・済々黌が“らしい”頭脳プレーで22年ぶりに校歌を聖地にとどろかせた。

 貴重な追加点だった。七回1死一、三塁の場面で、打者は遊直に倒れ、飛び出した一塁走者は遊撃手からの緩やかな送球で併殺。しかし、三塁走者が3アウトになる前に本塁を踏んでいたため、生還が認められた。

 三塁走者は帰塁しておらず、鳴門が三塁に送球してアウトをアピールすれば得点は無効だった。しかし、そのままベンチへ引き揚げたため、アピール権が消えてスコアボードに「1」が入った。

 池田満頼監督(39)の教科書は「ドカベン」だった。今回のようなシーンはマンガの中で描かれ、これを読んで実戦で生かそうと昨秋からナインに繰り返し練習させていた。五回の攻撃でも同じ状況があり、六回の守備に就く際、捕手・西口は相手に気づかれないよう球審に「三塁走者(の生還)の方が先じゃないですか」とアピール。この時は封殺が早く認められなかったが、相手の盲点を突いたプレーに「自分たちらしい頭を使った野球が甲子園でできてよかった」としてやったりだ。

 創立130年の伝統校が18年ぶりの出場とあって、バス38台、1100人の大応援団が熊本を前日19時に出発。三塁アルプス席を埋め尽くし、1プレーごとに大歓声を送った。次戦は優勝候補大本命の大阪桐蔭でもひるまない。明晰(めいせき)な頭脳と強力な援軍。波乱の予感がする。

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