広陵雪辱!急造投手・太田が無四球完投
「高校野球・秋季広島大会・2回戦、広陵6-2高陽東」(16日、コカ・コーラW)
2回戦16試合を行い、広島商、如水館、新庄などが勝って3回戦に進んだ。春夏通算42回の甲子園出場を誇る広陵は、昨夏県大会で敗れた高陽東に快勝。エースを故障で欠く中、普段は遊撃を守る太田創投手(2年)が安定した投球を見せ、自身初の完投勝利。打線も10安打を放って、3年ぶりの選抜出場へ向け初戦を突破した。
2カ月前の雪辱を、新チームでしっかり果たした。今夏の3回戦、同じ球場で苦杯をなめさせられた高陽東を相手に、広陵が堂々たる戦いぶりで完勝。中井哲之監督(50)は「早速リベンジの機会が来た。やりがいのある相手でしたからね」と笑顔で話した。
初回、1死満塁から5番・林の押し出し死球で先制。続く三田の左犠飛で効率よく2点目を挙げた。中盤はやや打ちあぐねたが、六回には7番・市岡の適時打と8番・亀山の適時二塁打で追加点。七、八回にも着実に加点した。
3年ぶりの甲子園出場を目指し、迎えた秋の県大会初戦。だが決して、万全の態勢で迎えたわけではなかった。エースの下石が、夏の疲労などから腰を痛め、登板できない状態に。そこで抜てきされたのが、前年のチームでは下石と二遊間を組んでいた太田だった。
中学時代は投手を務めた経験があるが、高校入学後は本格的な練習は行ってこなかった。そんな中、「3日前に先発を言われました」という緊急登板だったが、得意のスライダーを生かして快投。自身初となる9回完投勝利を無四球で飾り「先輩のかたきを取ろうと思って燃えた。下石が投げられない分、自分がしっかり抑えてやろうと思いました」と振り返った。
太田は打っても4番を務め、七回には左前に適時打。「チームも勢いに乗れたと思います」と胸を張った。中井監督も「太田は大したもんですね」と絶賛。「投手の層は厚くなったし、個々の能力的には、去年より高いと思う」と、2010年夏以来の甲子園へ向け自信を示した。
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