新庄・田口、1安打完封で8強入り

 「秋季広島県高校野球大会・3回戦、 新庄5-0祇園北」(23日、みよし)

 3回戦8試合を行い、8強が出そろった。今夏の広島大会4強の新庄が祇園北を下し8強入りした。先発したエースの田口麗斗投手(2年)が9回1安打無失点で完封勝利した。

 大木をなぎ倒すような剛速球はない。それでも、この男には何でも切り裂くカミソリのようなキレ味鋭い直球とスライダーがある。来春の選抜へとつながる道。長い道のりを、新庄のエース田口がまた一歩切り開いた。

 初回から三者凡退で立ち上がると、四回まで無安打。五回1死から初めて中前打で走者を許したが、後続を打ちとった。六回以降は1人の走者も許さない完ぺきな投球だった。

 9回1安打無失点。三振も毎回の11奪三振で完封勝利だ。「コントロールに気をつけて投げた。先頭打者を出さなかったことがよかった」と田口。迫田守昭監督(67)は「テンポよく投げてくれた。野手にいいリズムが生まれた」と絶賛した。

 今夏の甲子園、1試合22奪三振で記録を更新した神奈川・桐光学園の松井裕樹投手(2年)に刺激を受けた。松井の投球をテレビでチェック。縦横に鋭く曲がるスライダーを食い入るように見つめた。「打者が消えるっていうボールがどんなものか見たかった。直球と変化球時の腕の振りが同じだった」。

 同じ左腕の“奪三振王”を参考に、腕の振り方の修正に着手。「感覚的によくなっている。打者がハーフスイングになる場面が増えた。スライダーがストレートに見えていると思う」。この日もスライダーで何度も空振りを奪い、さらに自信を深めた。

 今夏の広島大会は、準決勝で盈進と対戦。8回3失点と好投しながら敗れ、人目もはばからず涙した。そしてこの秋から最上級生となり、背番号「1」を背負う。

 「投球でも人間的にもチームを引っ張る存在になりたい」。悲願の県北初の甲子園出場へ‐。その左腕で聖地をたぐり寄せる構えだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(高校野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス