仙台育英・上林、夏へ「何かを探して」

 「センバツ・準々決勝、高知2-0仙台育英」(1日、甲子園)

 背負うものが多すぎたのかもしれない。仙台育英(宮城)の上林誠知仙台育英外野手(3年)の本来の打撃は、九回の中前打はあったが、最後まで戻らなかった。「タイミングの取り方やフォームを忘れて、どうすればいいのかわからなかった」。敗戦の実感がない様子で、苦悩を吐き出した。

 今秋ドラフト上位候補で大会屈指のスラッガー。神宮大会王者の主将として、東北勢悲願の甲子園初優勝の期待を受けて乗り込んだ春。常に注目が集まった。初戦の創成館戦はワンバウンドのボールを二塁打にし、3回戦の早実戦も決勝打。だが、口をついたのは反省ばかりだった。

 「打たなくてはいけないというツボにはまってしまった。みんなの期待を背負ってしまったら、自分の打撃ができなくなるでしょ?」。佐々木順一朗監督(53)は、主砲を気遣った。

 4番に歩調を合わせるように、チームの歯車も狂いが生じた。「シートノックから変なプレーをしていた。東北勢がウチだけになったこともあったでしょうし、地に足が着いていなかった」と上林。5安打完封負け。新チーム結成後公式戦初黒星で夢はついえた。

 史上初めて5校が出場し、4校が初戦突破した東北勢。それでも、大旗の“白河越え”はならなかった。「普段通りにやれば負けないと思ったけど、何かが足りなかった。何かを探して、夏に向けてやっていきたい」。期待も重圧もすべて受け止めて結果を出す。そんな男になって、最後の夏に戻ってくる。

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