新庄・田口13K完投!自己最速147キロ
「高校野球広島大会・準々決勝、新庄4‐1盈進」(24日、マツダ)
最後の打者を打ち取ると左拳を力強く握った。プロ注目左腕の新庄・田口麗斗(かずと)投手が今大会初完投となる9回4安打、13奪三振1失点。「去年負けた盈進に勝って、1つ壁を乗り越えた」。チームを4強へ導く快投に感情を爆発させた。
失点は初回の1点のみ。二回以降は安定感抜群の投球で昨夏、準決勝で苦杯をなめた盈進打線を封じた。直球は四回に自己最速を2キロ更新する147キロをマーク。横に鋭く曲がるスライダーと組み合わせ、三振は七回以外は毎回の13個を奪った。「数は気にしない」。それでもこれで4試合に登板し、31回で48K。奪三振率は13・94だ。
スカウト陣も身長170センチの左腕にくぎづけとなった。この日は広島など7球団が視察。巨人は5人が熱視線を送った。山下スカウト部長はスライダーを絶賛し「左投手は身長は関係ない。変化球に特徴があればプロでも通用する。技術は大丈夫」と“広島のドクターK”を高評価した。
聖地まであと2勝。「1戦1戦戦うことだけ考える」。勝ってかぶとの緒を締める、左腕の言葉が頼もしい。