花巻東・千葉ルールに泣く「悔しい」

 「高校野球・準決勝、延岡学園2-0花巻東」(21日、甲子園)

 自分の持ち味を出せずじまいだった。今大会打率・700、出塁率8割を誇っていた花巻東の千葉翔太外野手(3年)は4打数無安打で最後の夏を終えた。

 号泣し、言葉を詰まらせながら「ファウルして粘って、何としても出塁することが自分の役割だったけど、それが止められて…。自分の野球ができなかった。それが一番悔しい」と振り返った。

 準々決勝では、ベースに覆いかぶさるように、バントに近い構えからファウルで粘り、頻繁にボールをカット。大会本部は「高校野球特別規則・17」の「いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作により、審判員がバントと判断する場合もある」に該当する可能性があるとし、準々決勝後、佐々木洋監督(38)、流石裕之部長(31)にルールを説明した。

 前日、千葉は監督に「どうしたらいいんですか?」と戸惑いを見せていたという。規則を意識し過ぎ、得意のカット打法ができなかったことは否めず、準々決勝でのファウル15球に対し、この日はゼロ。試合後は過呼吸により、車椅子でバスへ乗った156センチの今大会最小兵は最後まで涙が止まらなかった。

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