安楽は「ダル&マー級」スカウトが賛辞

 「高校野球・愛媛大会2回戦、済美10‐0新居浜東」(22日、坊っちゃん)

 今秋ドラフトの目玉、済美の157キロ右腕・安楽智大投手(3年)が2回戦・新居浜東戦に先発。4回1安打無失点で最速147キロをマークする好投を見せ、コールド勝ちで3回戦に駒を進めた。

 安楽は余裕たっぷりだった。4回1安打無失点。10点差がついた五回は2番手・山口にマウンドを譲った。球数50球で、直球の最速は初戦を1キロ上回る147キロ。その数字に手応えありの表情だ。

 「いい意味で楽に投げた。それで147キロ。もっと腕を振っていれば150キロ台は出たかなと思います」

 力んで立ち上がりに苦しんだ初戦を反省し、この日は「テークバックで力を抜くこと」や「7割くらいの腕の振り」を意識したという。“脱力投法”で「球質がよくなった」。直球と、スライダーも抜群。初回に相手の2、3番打者から奪った連続三振など、5三振のうち4つをスライダーでものにした。

 この球の切れ味に、ネット裏に集まった6球団17人のスカウトも注目した。ロッテ・松本尚樹編成統括は「あのスライダーは武器。1年目から即戦力で使える。ダルビッシュや田中(将大)のような投手になれる」と最大級の賛辞を贈った。

 完全復活はもう間近。上甲正典監督(67)からは「目指せ、目指せ、目指せ150キロ」とハッパをかけられ続けている。2年連続の夏の聖地へ、3回戦以降は6日間で4試合の過酷なマウンドだ。「きょうのコールド勝ちは大きい。うまく調整できれば、もっといいピッチングができる」。次は自慢のストレートで大台到達‐。そんな予感が漂っている。

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