PL学園野球部存続へOB会が嘆願書
存続問題が取り沙汰されているPL学園硬式野球部のOB会総会が10日、大阪市内のホテルで行われ、鶴岡秀樹OB会長らが昨年末、同校に対して嘆願書を提出したことが明らかになった。
嘆願書の内容は「野球経験のある新監督の早期決定」と「新入部員の受け入れ再開」の2点。同校野球部は昨年10月、2015年度に新入生の野球部員の受け入れを停止することが明らかになった。理由は野球経験のある後任監督が決まらないなど受け入れ態勢が整わないため。昨夏の大阪府大会や昨秋の近畿大会では正井一真校長が暫定的に指揮を執っていた。
昨年12月20日にOBから集めた「非常に数多くの」(鶴岡会長)嘆願書を同校に提出。その際に廃部や休部などではなく、態勢が整えば新入部員の受け入れを再開するという従来通りの説明を受けたという。鶴岡会長は「早く解決してほしいと願っている」と語り、OB総会でも同様の説明が行われた模様だ。
総会には元ヤクルトの宮本慎也氏、元阪神の片岡篤史氏らプロ野球界でも実績を残したOBが出席。DeNAの用具係などを経て今年からソフトバンク・3軍投手コーチに就任した入来祐作氏は「復活」をテーマに講演を行った。
同氏は「PLの野球部を存続してもらえるように。何とか教団の方に目を向けてもらえるように、頑張って生きている姿を見せるしかない。色んな形で頑張っている方がいる」と力を込めた。
さらに「今の社会のように理不尽なこともある中で自分をコントロールする術を学んだ。PL野球で培った部分というのは決して、自分の人生でマイナスになっていない。逆に無くなるとわれわれの人生が否定されてしまう」と切実な思いを訴える。
阪神・木戸克彦GM補佐も「70歳を超えた方で、PLのOBということを誇りに希望を持って生きている方もいる。そんなOBのためにも、存続のためにやっていかないといけない」と語った。甲子園で春3度、夏4度の全国制覇を果たした名門の存続をOBは願っている。
◆総会の主な出席者(敬称略)
中村順司、西田真二、木戸克彦、吉村禎章、片岡篤志、宮本慎也、入来祐作、坪井智哉ら。