早実・清宮出た!高校1号は130m弾
「春季高校野球・東京大会準々決勝、関東第一18-11早実」(18日、神宮第二)
早実のスーパールーキー・清宮幸太郎内野手(1年)が関東第一との準々決勝に「3番・一塁」で先発し、出場3試合目で高校初本塁打を放った。五回に一時は逆転弾となる推定130メートルの特大3ランを中越えに運んだ。チームは乱打戦の末にコールド負けを喫したが、ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(47)を父に持つ“怪物”が、強烈なインパクトを残した。
“怪物”が描いた初めての放物線は、規格外の弾道だった。甘い直球を捉えた清宮の打球が中堅後方のネット中段に届くと、満員のスタンドにどよめきと大歓声が響いた。4点を追う五回、2点を返してなお1死二、三塁から飛び出した高校1号は、推定130メートルの特大3ラン。一時は逆転弾となる一撃に、両手を激しくたたいてホームベースを踏んだ。
試合は再逆転を許して敗戦。「負けたことが一番悔しい」とうつむいたが、初アーチについては「気持ちよかった。記念すべき日だなと思います」。控えめに喜びをかみしめた。六回にも中前適時打を放ち、5打数2安打4打点。初出場した9日の駒大高戦から3戦連続の打点を挙げた。
打撃で一番大事にしていることは「準備ですね」という。試合の日は、自宅地下室で父にボールを投げてもらい、ティー打撃を行うのがルーティン。この日も早朝から1時間、みっちり打ち込んだ。そんな積み重ねが「すごいよ。高1であの打球は打てない。スイング軌道ができている」(阪神・中尾スカウト)とプロも舌を巻くスイングを生んでいる。
次に見据える舞台は夏。「春の大会で1本打てたのは大きい。目標は高い方がいいので(高校通算)80本ぐらい打ちたい」と清宮。底知れぬスケールの大砲は、途方もない数字を積み上げそうだ。