センバツ4強秀岳館、タイブレーク敗退

 「春季高校野球九州大会・2回戦、大分5-4秀岳館」(11日、長崎県営球場)

 選抜大会4強の実力を発揮することなく、秀岳館(熊本)が大会史上初のタイブレークで姿を消した。

 サヨナラ勝ちに喜ぶ大分ナインを横目に、秀岳館の選手は無言で整列した。「大変な生活をしている熊本の人たちに元気を届けたかったが…」。九鬼隆平主将(3年)は無念の思いをかみしめた。

 2点差を九回に追いつかれると延長戦に突入。十三回から大会規定により、無死一、二塁からのタイブレークが採用された。打順を選択できるため鍛治舎巧監督は2番からにしようとすると、内野安打1本だった3番の木本凌雅(2年)が自信なさげだったという。このため4番・九鬼から打たせたが、3人で凡退。直後にエース有村大誠(3年)が1死満塁から相手2番打者に中前打を浴びた。「試合を全くしていない。ブランクの影響はある」と鍛治舎監督はこの1カ月間を振り返った。

 4月14日に最初の大地震が発生。熊本県八代市の寮の近くでは火災も起きた。19日には同市内を震度5強の揺れが襲い、翌20日以降はほとんどの選手が寮を出て自宅へ戻った。それぞれが自主練習を続け、再び学校に集まり始めたのが月末だった。連休中は九州大会に備え、特別に学校から許可を得て練習したが、余震が起こるたびに練習を中断。部員全員がそろったのは今月8日だった。

 三回途中からマウンドに上がった有村も大阪府枚方市の実家へ戻り、自主練習を続けた一人。「やることはやっていた。地震を言い訳にしたくない」。120球を投げ、11三振を奪った右腕は潔く敗戦を受け入れた。

 県内の公式戦はすべて中止となり、実戦は来週から組んでいる練習試合などで補っていく。「課題がたくさん見つかった。ここから2カ月。追い込んでいかなければ」と鍛治舎監督は前を向いた。チームをつくり直して、ぶっつけ本番の夏に挑む。

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