誰にでもわかりやすい芝居を、劇団空晴

空気がなくなったら誰も生きていけないように、当たり前のように存在している家族や友達は、なくなった時に初めてかけがえのないものだと気付かされる。空晴(からっぱれ)は、そんな「当たり前だけど大事な関係」をテーマにした優しい世界を創り続けている劇団だ。彼らの新作『ここも誰かの旅先』が、8月4日~9日に「HEP HALL」(大阪市北区)で上演される。

普通の家の普通の家族たちが、ちょっとした勘違いとすれ違いから大モメした後、互いの信頼を確かめ合って収束する。古きよき人情喜劇を思わせるその世界は、熱狂的というより「観逃したら落ち着かない」というファンを根強くキープしている。「うちのような誰にでもわかりやすい芝居は、演劇界では好きじゃない人も多い。でもお客様にとっては、こんな芝居をやり続ける劇団もあったら嬉しいんじゃないか、と思うんです」と作・演出の岡部尚子。

しかし、物語は決して単純ではなく、登場人物ほぼ全員が何らかの隠し事を抱えて行動するため、意外とミステリー小説ばりに伏線が多くて複雑。その真相が芋づる式に暴かれていく様が大きな笑いを生むと同時に「謎はすべて解けた!」な痛快さも得られるのが、彼らの大きな魅力なのだ。

毎公演変わらないようで「実は毎回自分なりに冒険はしています(笑)」と岡部が言う通り、次回作は家族以外の人間も大きく絡むドラマになる。「1本の物語というより、映画『ラブ・アクチュアリー』のように、それぞれの人たちの話が展開するオムニバス風の芝居です。1回でも十分楽しめるけど、リピートするとさらに様々な真相が見えてくるような芝居を常に意識していますが、その醍醐味がより強くなるかと」。

失って、あるいは失いそうになって初めて気づく大事な時間と人間関係。それが笑いとともに痛感できたならば、今後も空晴の舞台に通わずにいられなくなるはずだ。チケットは前売3500円、当日3800円、詳細は公式サイトにて。

取材・文・人物写真/吉永美和子

(Lmaga.jp)

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