ネットで美術鑑賞、京都国立博物館が参加
インターネットを通じて、美術館などに所蔵されている美術作品を高解像度の画像で鑑賞するというアプリサービス『Google Arts & Culture』に、「京都国立博物館」が11月1日から参加することに。同日、その記者会見が行われた。
このサービスは、現在70カ国、1000施設を超える美術館や博物館、科学館等が参加。40万点を超えるアート作品や、600万点を超える写真や動画など歴史的資料を、ストリートビューや360度動画、VRなどの技術を駆使して、インターネット上で自由に鑑賞することができるという新しい美術の楽しみ方だ。日本では「東京国立博物館」や「広島平和記念資料館」、「手塚治虫記念館」など65の施設がすでに参加しており、今回「京都国立博物館」が所蔵する国宝『釈迦金棺出現図』や俵屋宗達の重要文化財『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』などの作品を含む、画像200点が公開される。
画像が超高解像度(ギガピクセル)のため、拡大すれば細部までじっくり観ることができるのが特徴。たとえば雪舟筆の国宝「天橋立図」の紙の折り目をはじめ、源氏物語図帖の着物の細かな柄、ほか絵の具の固まり、色の運びなどもくっきり見え、作者がいかに細心の注意を払って絵を描いているのか実感できる。また同館ならではの特徴として、「武士の文化」「着物と染色」といった24つの切り口で紹介され、作品ごとに同館研究員が書いたという詳細な作品解説がついているので、画像を観ながらより理解を深めることができる。
佐々木丞平館長は「今の時代、インターネットやさまざまな技術を使って世界に広く発信するが、我々も決して遅れてはいけないと思った。伝統文化というものに足を踏み入れていただく絶好のツールだと思うし、研究者にとっても大きなメリットがある。世界の人々に京都にこんな博物館があるのか、内容はこうなのかということを認識していただいて、実際に足を運んでいただく窓口になれば」と語った。
(Lmaga.jp)
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