小吹隆文撰・週末アート、11/2~
「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、兵庫県たつの市と京都府木津川市の地域で味わうアート・イベントと、神戸で開催の若手登竜門となる展覧会を紹介します。
西播磨の歴史ある城下町で芸術体験
『龍野アートプロジェクト2016国際芸術祭 時空の共振』
@たつの市龍野町旧市街ほか
兵庫県南西部に位置するたつの市。その旧市街地は歴史ある城下町であり、醤油の生産や三木露風(近代日本を代表する詩人・作詞家)の故郷としても知られています。
同地で2011年より始まった「龍野アートプロジェクト」では、龍野城、旧龍野醤油同業組合事務所・同組合醸造工場といった歴史的な建築を舞台に、美術展やコンサートなどの活動が行われてきました。今年は、地元出身の作曲家・薮田翔一によるオペラ公演とソプラノコンサートから成る音楽部門と、国内外の10作家を招いて行われる国際芸術祭の2本立てで行われます。日本の原風景ともいえるような、地域の美しさも含め、出かければきっと満足できる。そんなイベントです。
2016年11月3日(祝・木)~13日(日)
初めて出会った2人が作った展覧会
『若手アーティスト育成支援企画 1floor 2016「何かの奇遇」』
@神戸アートビレッジセンター(神戸市兵庫区)
「神戸アートビレッジセンター」が2008年から行っている若手芸術家の育成支援企画『1floor』。この企画では、公募で選ばれたアーティストが企画段階から深く関わり、長期にわたるミーティングを積み重ねて、自主的に展覧会を作り上げています。
9回目となる今回は、ともに1986年生まれの熊野陽平と戸田泰輔が選ばれました。熊野の作品は、インスタレーションや自らが考案したゲームなど。制作のベースにあるのは、既存のルールや統一された規格への違和感です。一方、戸田の作品は、日々の些細な出来事の断片を組み合わせるのが特徴。自覚のない経験や記憶を呼び起こさせ、ふとした瞬間に世界との繋がりを自覚するような作品制作を試みています。
2016年11月5日(土)~27日(日)
現代アートと地域の魅力を満喫しよう
『木津川アート2016 山河は語る、アートはうたう。』
@京都府木津川市山城地域(JR上狛駅、棚倉駅周辺)
京都府南部の木津川市を舞台にしたアートイベント『木津川アート』が、2014年以来2年ぶりに開催されます。このイベントの特徴は、毎回会場が変わること。市内中心部、歴史ある集落、山間部、ニュータウンなどを転々とすることで、他所の人はもちろん地元市民でも気付かなかった地域の魅力を再認識できるのです。
ちなみに今回の会場は、木津川の北側で、JR奈良線が通る山城地域です。おっと忘れてはいけません、一番の見所はアート作品です。32組のアーティストによる、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった作品が、古民家、駅、神社、倉庫などで展示されます。この時、この場所でしか味わえないアートの魅力をたっぷり楽しんでください。
2016年11月6日(日)~20日(日)
(Lmaga.jp)
関連ニュース
編集者のオススメ記事
関西最新ニュース
もっとみる「歩のブレなさは心強い」歩(仲里依紗)が「ギャルCEO」として動画配信者デビュー、視聴者「さすがアユ」の声【おむすび】
『おむすび』翔也役・佐野勇斗、朝ドラのオーディションに挑み続けた過去明かす「オファーはドッキリかなと思った」
大阪・難波のホテルで苺スイーツ×タイ料理!甘い→辛いで無限食べ放題…いちごはスイーツだけじゃない
オフショットにイベント即売会! 蔦重の先見性が炸裂…一方で、吉原も幕府も一緒? 家のため利用される女性たち【べらぼう】
相武紗季、地元・兵庫の商業施設に登場「プライベートでは…」 現在2児の母、今年40歳に
ビアードパパ、昨年好評の「パリパリすぎるシュークリーム」復活
「今から見た正解」ではなく当時の混乱をリアルに──朝ドラ『おむすび』はコロナ禍をどう描いたか
「防災バッグ買わずに作る」…長時間の神戸線車車両閉じ込めのピンチも救った、防災アイテムとは?