闇夜に浮かぶ姫路城、光のイベント開幕
世界文化遺産で国宝の「姫路城」(兵庫県姫路市)で12月2日、通常は入れない夜の城内を開放し、光の演出を楽しむ初のイベント『姫路城ナイトアドベンチャー煌 ~KIRAMEKI~』が開幕した。
城内各所で白壁や石垣に3Dプロジェクションマッピング映像を投影。徳川家康の孫・千姫が暮らした「西の丸」では真っ白に輝く大天守を背景に千姫のストーリーが絵巻物のように映され、「三国堀」では映像とともに水面に大天守が映り込んだ「逆さ姫路城」などが楽しめる。たつの市から訪れた田中一生さんと矢野晶子さんは、「プロジェクションマッピングで姫路城の歴史が語られ、キラキラしたイルミネーションとはひと味ちがう美しさと面白さがある」と満足げ。光のアートに彩られて冬の夜空に浮かび上がる姫路城は、来場者を魅了した。
このイベントは「姫路城の夜の活用」を模索する姫路市による、実験的な取り組みのひとつ。文化財である姫路城は、照明や足元の舗装などを最低限にとどめており、現状は夜間営業には不向き。市の担当者は「これをきっかけに夜間の城内安全面を検証し、今後の夜間活用や滞在型観光の促進につなげたい」と意気込む。期間は11日まで。入場料は小学生以上1200円。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)