大阪・通天閣のネオン、振り返るその変遷
ディープな大阪を象徴する観光スポットのひとつ「通天閣」(大阪市浪速区)は、陽が暮れるとライトアップされ、夜の大阪にその姿を浮かび上がらせる。1957年に設置されて以来14代目のデザインとなるネオンサインが、2月10日に登場。その変遷を振り返ってみる。
新世界と呼ばれるこの地に作られた初代通天閣は、1912年に遊園地「ルナパーク」のシンボルタワーとして誕生。当時はパリの凱旋門の上にエッフェル塔が乗ったような奇抜なデザインだった。その後1943年に火事にまきこまれて解体、現在の姿は1956年に再建された2代目となる。
再建の翌年にはネオンサインに灯が入り、広告主となる日立の文字が60年間点灯。四方のネオンには企業ブランドや製品広告のほか、公共メッセージも掲げられ、『日本万国博覧会』が開催されるまでは「日本万国博」(1967~1970年)の文字が、また『阪神・淡路大震災』が発生した翌年には「防火・防災街づくり」(1996~2001年)など、時勢に合わせたメッセージが掲出されてきた。残念ながら今回のリニューアルではメッセージはなくなり、その代わりにネオンカラーが12色、大時計盤がデジタルビジョンに変更。月ごとにライトアップの色が変わったり、時計に動画が流れるようになる。
通天閣観光の西上雅章社長は、「ネオンは通天閣の洋服のようなもの。今回は還暦のお祝いのリニューアルであり、これまで以上に華やかに着飾っていただいた」と喜ぶ。「新たなスタートとして、日本一おもしろい塔を目指す」とも話し、今後も地域のシンボルタワーとして愛され続けることだろう。
(Lmaga.jp)
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