桂文枝の執念、上方落語台本大賞が復活
「上方落語協会」が新たに『第1回 上方落語台本大賞』の募集をおこなうと発表。資金難もあり2015年の第8回をもってやむなく終了した『上方落語台本募集』が、「岩井コスモ証券」(本社:大阪市中央区)からの寄付を受けて復活したものだ。
「どうしても再開させたかった」という同協会の桂文枝会長。「四天王が亡くなり、大きな時代の転換期を迎えているなかで、100年先の古典落語を残していくために新しい面白い作品が必要。落語家の頭で考えるだけでは限りがあり、全国さまざまな地域のいろんな職業の人が、我々も考え付かないような面白い落語を作ってもらえたらと願っています」と想いを話した。
募集は自由作・課題作とあり、課題作のテーマを「お金」とした。文枝会長は、「落語の中にはお金が出てくるものが多く、将来もできる落語ということで人生の中でお金は大事だし、万人に通じる普遍的なテーマ。初めて挑戦する人にも書きやすいと思います」と語った。
創作落語の第一人者である文枝会長。噺を作る極意として「はじめから面白いものはできない。ギャグを練るより物語の骨子がしっかりしたいい噺を作っていただければ。流行や時事ネタはすぐに廃れるので日常から普遍的な題材を選んでほしい」とアドバイスした。また今回、選考委員を一新。作家の難波利三氏や田中啓文氏、木下昌輝氏らが噺の構成力や台詞など総合的に評価する。大賞賞金は10万円で、入選作は落語家により口演。応募資格はプロ・アマ問わず、4月1日~9月30日(必着)に郵送のみで受け付ける。
取材・文/やまだりよこ
(Lmaga.jp)