「オープン戦、フィリーズ４-３ヤンキース」（２６日、フロリダ州クリアウオーター）

　ヤンキースのイチロー外野手が２６日（日本時間２７日）、フィリーズとのオープン戦で、多彩な打撃を披露した。一回はたたきつけるようなスイングで二遊間に打球を弾ませ、遊撃内野安打に。三回は内角球を左前に打ち返し、六回は外角球をライナーで中前に運んだ。

　どの打席もオープン戦２試合目とは思えない内容だ。だがイチローは「今日も気持ち悪いですよ。全然気持ち良くない」と苦笑いで振り返った。オープン戦初出場だった２４日に「気持ち悪い」と言った感覚は変わらないという。

　内野安打の一回には、初対戦の右腕ケンドリックのモーションを完璧に盗んでオープン戦初盗塁を決めた。ロドリゲスをけがで欠き、好打者スウィシャーが移籍した今季のヤンキースは昨季並みの長打が期待できず、小技を交えた攻撃に移行しようとしている。

　チーム方針を体現したようなイチローのプレーだったが「少なくとも今日の段階では（そんな意図は）ない」と受け流す。ベテランは自然体で準備を続ける。