イチロー「視力0・4説」の真相は…
優れた動体視力はイチローがもつ能力のひとつだ。それなしには4000本ものヒットを打てなかったかもしれない。
ならば、実際の視力はどうか。世間で言われている“視力0・4説”。その真相を確かめるべく、イチローに聞いたことがある。
「目はねえ、よくないんだよね」
そう言って明かした視力は右1・0、左1・2。「日や体調によって違うんだけど、左に比べて右はよくない。ただ、野球は両目でやるんで両目で見ているものがすべてですから」。プライベートでかけるのはダテ眼鏡。「0・4がどっから来たのか知らない」と不思議がった。
メジャーに来て2度、コンタクトレンズをつけてプレーした。1年目の01年と今年。どちらもオープン戦期間中。定期健診の後、医師に命じられた。
「細かい字は見えるけど、野球にはなんにも反映されない。目を使おうとするから反応が遅れたりする」。自分のおでこをさしながら「たとえばピッチャーのここに書いてある文字を読む競技なら(コンタクトは)必要だけど、視力と野球の動きって、まったく関係ないことはこの春に体験した。目を使おうとすると体が緊張することを僕は知っている」。
思い出した。不振のとき「ボールを見過ぎてしまっている」と話していたことを。
オリックス時代、視力が0・8に下がったことがある。「あのはかり方って暗い部屋でパコッて光が当たってそれを読む。そもそもそんな状況で野球はしない」
そして、イチローが出した結論はこれだ。
「ホント、医者って厄介ですよね」‐。