団野村氏ポスティングにほかのルールを
失効状態にあるポスティング・システム(入札制度)の新制度が間もなく発表される。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)やマリナーズの岩隈久志投手(32)の代理人として同システムの交渉を経験している団野村氏(56)が1日、デイリースポーツの取材に応じ、メジャー移籍を目指す選手が対等な立場で交渉ができる制度の構築を訴えた。
野村氏の主張は一貫している。選手がプレーしたいメジャー球団と対等な立場で交渉できる制度をつくり上げることだ。
「僕の理想は、選手が1球団ではなくて(入札額の)上位3球団と交渉ができるシステムにすることです。そうすれば、選手は行きたい球団とフェアな条件で交渉できるし、日本の球団にもお金が入る。メジャー球団も以前ほど交渉権に莫大(ばくだい)な金を払わずに済む」
3年前、野村氏は悔しい思いをしている。楽天から同システムを使ってメジャー移籍を目指した岩隈の代理人を務めたが、独占交渉権を得たアスレチックスとは合意に至らなかった。お互いの条件があまりにもかけ離れていたためだ。
一部の米メディアは、入札額上位の複数球団から1球団を選手が選んで交渉するという案があると報じたが、同氏は「メジャー球団側からすれば『ウチを選んでくれた』ということになる。独占交渉権に変わりはなく、相手は選手の足元を見て交渉を進めることができる。アスレチックスがやったこととまったく変わらない。奴隷オークションですよ」と語気を強める。
今回の制度改正の最大の理由は独占交渉権の高騰を抑えるため。選手のためではなく、メジャー側の事情を考慮してのものだ。「ベストな方法はこのシステムをなくし、ほかのルールをつくること」。野村氏はみんなが納得し、笑顔になれる制度があることを確信している。