ダル故障者相次ぐメジャー方式に物申す
レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は14日(日本時間15日)、オールスター戦前日の記者会見に臨み、ヤンキースの田中将大投手(25)ら肘の故障が相次いでいることに対して、中4日登板が短すぎるなどと、持論を展開した。3年連続3度目の球宴選出となった右腕は、独自の視点と独特の感性で、さまざまな提言をした。
オールスター前日の会見に臨んだダルビッシュの口調が熱を帯びたのは、肘の故障について触れたときだ。田中将が受ける可能性のある肘の腱(けん)移植手術(トミー・ジョン手術)。開幕直後から同手術を受ける選手が続出している現状に「これだけトミー・ジョンが出てるんだから、何でかってことで、本当に議論しなきゃいけない」と、警鐘を鳴らした。その上で提言、指摘は、4項目に及んだ。
「絶対短い」
(1)先発6人制
今やメジャーの常識となっている先発5人ローテーション。中4日の登板間隔を「絶対短い」と切り捨て、提案したのが6人制だ。
「選手をプロテクトしたい(守りたい)んだったら、もう1枠、先発用の枠をつくった方が中5日で楽に回れる」。現在、故障防止のために行われている1試合100球の球数制限は「ほとんど関係ない。140球投げても、(中5日や)中6日あれば靭帯(じんたい)の炎症は全部取れる」と言い切った。
品質向上を
(2)メジャー球の改良
日本の公式球よりも大きく、滑りやすいメジャー球についても物申した。「ボールが滑るってことは、ちゃんと持たなきゃ(握らなきゃ)いけない。(肘に)ストレスがかかるわけだから、そこは大きい。(メジャー球は)大きさも違えば、最初から変形してるものがあったりする」と品質の向上を訴えた。
(3)故障原因はスプリットではない
田中将の故障をスプリットの投げすぎとする見方もあるが、ダルビッシュの見解は違った。「スプリットぐらい(握りが)浅ければ(負担は)ツーシームと変わらない。むしろチェンジアップの方が、(ボールに)薬指がかかっている。薬指は尺骨につながってるから関係あるのかな、と」と指摘した。
(4)バランスのとれたウエートトレ
球速を上げるための下半身と背部の部分的強化に重点が置かれているが、これにも反論。「それをやると、球は速くなるんだけど、腕とか胸とかプロテクトできない。やるんだったら全身。やらないんだったらやらない方がいい」
ダルビッシュの提言が、メジャーを動かす日が来るだろうか。