レ軍球児、故障で昨年引退考えていた
レンジャーズ・藤川球児投手(34)が6日、大阪市内で関西テレビの番組「イキザマJAPAN」の収録に参加した。MCのお笑いタレント・小籔千豊(41)との対話形式で、右肘のけがに悩まされたここ2年の心境などを振り返り、昨年には引退を考えていたことを明かした。番組は8日午前6時30分から放送される(関西地区のみ)。
藤川が、海の向こうでユニホームを脱ごうとしていた。13年5月に右肘じん帯を断裂し、翌6月に修復手術を受けた。長いリハビリを経て昨年8月に戦列復帰した。それでも、任されるのは敗戦処理など試合展開に影響しない役割ばかり。番組の中で引退を考えたことを明かし、収録後の会見で「とにかく精神的にしんどかった」と当時の心境を振り返った。
FAとなった昨オフ、移籍先の交渉にあたっていた代理人の団野村氏に「もういいです」と伝えた。すると「ずっと良かったのに一つダメだっただけで辞めるのは簡単だけど、絶対後悔する」と引き留められた。つらいことがあっても、他人に相談することはほとんどないという藤川。親身な言葉に「そうかな」と心を動かされた。
今は新天地での再スタートに燃えている。「(最盛期を100として)現在の状態は65。去年も150キロは出てた。あとはキレが出てくればと思うけど、その部分はちょっと自信ありますね」。40歳までプレーを続けることが一つの目標だ。
渡米してからの2年は苦難の日々が続いたが「(後悔は)ゼロ。チャレンジを続けることでしか新しいものは見いだせない」ときっぱり。完全復活に向けて歩み始めた男の表情は、“引退”の2文字とは程遠いものになっていた。