岩隈、米で初完投がノーヒットノーラン

 「マリナーズ3-0オリオールズ」(12日、シアトル)

 マリナーズの岩隈久志投手(34)は本拠地シアトルでのオリオールズ戦で日本投手2人目となる無安打無得点試合を達成した。緩急を生かし116球で大リーグ初完投。今季11度目の先発で4勝目(2敗)を挙げた。日本選手では野茂英雄がドジャース時代の1996年とレッドソックス時代の2001年に2度の無安打無得点試合を記録。岩隈は日米プロ球界を通じて自身初の偉業達成だった。

 楽天などで活躍したプロ野球時代にも経験のなかった快挙を、マリナーズの岩隈が成し遂げた。日本投手2人目のノーヒットノーランに「こんなことはできるとは思っていなかった。何て言っていいのか分からない」と笑みを浮かべた。

 指名打者制を採用するア・リーグでは3季ぶりの無安打無得点試合。最速は92マイル(約148キロ)だった岩隈は、ジョーンズ、デービスらが居並ぶオリオールズ打線を手玉に取り「速いボールを投げて満足という世界ではやっていない。いかにコントロールで勝負しながらアウトを取っていくかを考えながらやっている」と胸を張る。

 ウエーバーを経ないトレードの期限だった7月末が近づくにつれ、米メディアではトレード候補に名前が挙がっていた。今季終了後にフリーエージェントになるだけに、去就に注目が集まる。マクレンドン監督は「クマ(岩隈)は完全復活した。自分に決定権はないが、意見は言うつもりだ」と残留希望を示唆した。

 前半は右広背筋を痛めて5試合の登板にとどまったが、後半は中4日での先発を続ける。偉業を達成して観客から総立ちの拍手で迎えられ「最高にうれしかった。シアトルのファンの方に感謝の気持ちでいっぱい」と、心地よさそうに余韻に浸った。

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