マー君“パパ”っと1500K 夫人も大喜び
「ヤンキース1-2オリオールズ」(8日、ニューヨーク)
ヤンキースの田中将大投手(26)はニューヨークでのオリオールズ戦に先発して8回を6安打1失点と好投したが、勝敗は付かず、12勝目はならなかった。四回までは完璧に抑え、六回にソロ本塁打を浴びた。それでも今季最多の10三振を奪い、日米通算1500奪三振を達成した。
今季最多の10三振を奪った田中が、エースとしての存在感を示した。
四回まで1人の走者も許さないパーフェクト投球。前回登板からの中5日の登板間で取り組んだ投球フォームの修正が実り「全てのボールをいい感覚で投げることができた。球の勢いもあった」という自画自賛の投球内容。握りにマイナーチェンジを加えたという宝刀・スプリットと120キロ台のカーブがさえわたり、オリオールズ打線を8回1失点と翻弄(ほんろう)した。五回無死一塁では、スプリットで指名打者のパレーデスからこの試合6個目の三振を空振りで奪い、日米通算1500奪三振に到達した。
ただ田中の快投も及ばず、チームは救援陣が九回に勝ち越し点を許して手痛い敗戦。試合後の田中は「いいピッチングをしても勝つ時もあれば、負ける時もある。自分の仕事を毎回やっていくだけ」と淡々と話した。
5日にまい夫人の第1子妊娠を発表してから初登板。試合中には、一塁側のスタンドから応援する夫人の姿が球場の大型スクリーンに映し出されるなど、力強い後押しに応えるかのような投球を披露。ジラルディ監督も「打線の援護はなかったが、田中は素晴らしい投球をしてくれた」とエースの投球を高く評価した。
試合前にはチーム最多の14勝を挙げているイオバルディが、右肘の炎症のため2週間の投球禁止が決定。ブルージェイズとの優勝争いが混沌(こんとん)とする中、先発陣を支えるエースとしてより一層の期待がかかることになる右腕は「チームにとって大事なところでしっかり力を発揮して、勝利につなげていけるような投球をしていければ」と、残り1カ月あまりとなったシーズンでのフル回転を誓った。