「パドレス４－１３マーリンズ」（１３日、サンディエゴ）

　メジャー歴代最多安打に王手だ。マーリンズのイチロー外野手（４２）が「１番・右翼」で４試合ぶりに先発。４打数３安打１打点で日米通算４２５５安打とし、ピート・ローズの持つメジャー歴代最多安打記録にあと１と迫った。今季４度目となる“猛打賞”で、メジャー通算３０００安打もあと２３となった。

　出れば打つ。悩める主砲スタントンに代わって４戦ぶりに先発したイチローが３安打２四球で１打点、３得点。敵地ファンの歓声とブーイングが入り交じる異様な空気の中で持ち味を発揮した。

　自身１０年ぶりの快記録は三回だ。先頭で迎えた第２打席で左前打を放つと、チームは打者一巡。２死三塁の場面で再び打席が回ると今度は遊撃への適時内野安打を放った。０６年４月以来、通算４度目の１イニング２安打。八回にも左翼線を破る安打を放ち、今季４度目の“猛打賞”だ。

　ピート・ローズのメジャー記録にあと１本に迫る日米通算４２５５安打。この日、４勝目を挙げた元中日のチェンは「イチローさんにしかできないと思う。ヒット打ったらみんながすごい喜んでいる」とベンチ内の様子を明かした。

　あと１本で達成される偉業に、米メディアも注目している。１４日付のＵＳＡトゥデーはスポーツページの１面でイチローを大特集。その中でローズがその実績を認める一方で「日本では俺をヒット・クイーン（２番）にしようとしている」、「次は高校時代の安打数も足そうとしている」などの日米合算の安打記録を嫌悪するコメントを紹介した。

　米国内でも話題になっているが、それほどイチローの記録が注目されている証拠。あと１本。いよいよ大記録に並ぶ瞬間が訪れる。