マエケン「普通じゃありえない」 中3日で力投のエースに感服
「ナ・リーグ地区シリーズ・第4戦、ドジャース6-5ナショナルズ」(11日、ロサンゼルス)
前田健太投手(28)が所属するドジャース(西地区1位)はナショナルズ(東地区1位)とのプレーオフ地区シリーズ(5回戦制)第4戦に勝って、対戦成績を2勝2敗とした。リーグ優勝決定戦進出をかけた第5戦は13日(日本時間14日)、敵地ワシントンで行われる。
ベンチの中から1球ごとに身を乗り出すようにしてチームの勝利を祈った。崖っぷちで迎えた第4戦。前田の心を打ったのはエース、カーショーのピッチングだった。
7日の第1戦で先発し、中3日のマウンドとなったカーショーは初回と三回に1点ずつ与えたものの、四回以降の3イニングを1安打無失点。その力投にこたえるかのように味方打線は初回に4番ゴンザレスの2ランで逆転に成功すると、三回と五回にも追加点を奪った。
六回を投げ終えた時点で投球数は89。それでもロバーツ監督はその裏の攻撃でカーショーを打席に立たせ、続投の意思を見せると、4万9617人が詰まった本拠地は大きな拍手と歓声に包まれた。
3点リードの七回2死満塁の場面で降板。中継ぎ陣が走者を還して5失点となったが、110球、11三振を奪う力投を地元ファンはスタンディングオベーションで称えた。
サイ・ヤング賞3回、15年から7年2億1500万ドル(約225億5千万円)の超大型契約を結んでいるカーショー。ベンチに戻った同い年の左腕をハイタッチで出迎えた前田は「中3日(の登板)なんてなかなかできるものではないと思うし、その中で結果を残すというのは普通じゃありえないこと。カーショーだからできることだと思う。大事な試合で、中3日でいいピッチングをすることは(同じ)ピッチャーとして考えれられないぐらいすごいことだと思います」と、エースの底力に驚嘆の声を上げた。
試合は、ドジャースの37歳ベテラン、アトリーが同点の八回、2死一、二塁の場面で右前適時打を放って勝ち越しに成功。九回を守護神ジェンセンが三人で締め、リードを守り切った。
この日の前田は試合前のフィールドでストレッチや約15分のキャッチボールなどで調整。10日の第3戦に先発したため、第5戦の登板予定はないが、「あと1試合が本当の勝負。僕はなにもできないですけど、しっかりチームを応援したいと思います」と話した。