大谷翔平 1試合2発で4年連続2桁本塁打、両リーグトップタイ浮上 首位打者返り咲き、三冠王も視野

 試合後に報道陣の質問に答える大谷(撮影・小林信行)
 1回、先制の9号2ランを放つ大谷(共同)
 8回、この試合2本目の本塁打となる10号ソロを放つ大谷(共同)
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 「ドジャース5-1ブレーブス」(5日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手(29)が5日(日本時間6日)、本拠地ドジャースタジアムで行われたブレーブス戦で9、10号を含む4打数4安打3打点でチームの4連勝に貢献した。4年連続2桁本塁打を達成するとともに両リーグトップタイに浮上。昨年6月3日以来、自己最多4安打で11日ぶりに首位打者にも返り咲き、三冠王の夢も膨らみ始めた。

 チケット完売5万2733人で埋まった本拠地がどよめきと歓声に包まれた。本塁打で始まり、本塁打で締める『ショウ・タイム』。両軍ともに5安打の試合で大谷が一人で4安打を記録する異次元のパフォーマンスを披露した。

 独演会の開幕は初回無死一塁だ。2桁勝利3度の左腕フリードに対し、カウント1-2と追い込まれながら内角高めのカーブをセンターバックスクリーンへたたき込んだ。

 「ちょっと詰まり気味。ギリギリ入ってくれたらいいなと思った」

 それでも飛距離126メートル。バットを持ったまま打席を飛び出した大谷が一塁を回ったところで咆哮(ほうこう)とともに右拳でガッツポーズ。今季3度目の2戦連発となる9号2ランで先制点をもたらした。

 三回の打席では内野陣全体が右へ寄る“大谷シフト”を破る左前打。続く六回にはカウント1-2からボール球の外角スライダーを中前へ。2試合連続の3安打とした。

 最大の見せ場は先頭で打席に立った八回だ。代わったばかりの左腕ミンターの初球、真ん中151キロ直球を真芯で捉えバックスクリーン左へ。飛距離は自身3番目、今季メジャー2番目の141メートル。逆風をものともしない驚愕(きょうがく)のアーチに「完璧でしたね」と自画自賛。「あそこにホームランを打てる自信があれば、他の球種に対するアプローチも自信を持っていける。いいサイン(兆候)かなと思います」と満足感を漂わせた。

 ナ・リーグ東地区6連覇中で21年には王者にもなっている強豪を3タテで撃破し、貯金は今季最多の10。自身は3発を含む8安打、2盗塁、6打点、5得点と大暴れしたが、「素晴らしい打線を相手に投手陣が素晴らしい投球をしていたというのが印象的だった」と、称賛の言葉を贈ったところがいかにも大谷らしかった。

 この日の固め打ちで今季初めて本塁打部門トップに並び、打率でも11日ぶりに首位打者に返り咲いた。長打率、OPS(出塁率+長打率)、塁打数などでもメジャー1位。25打点は1位と8差。今季の大谷は三冠王の可能性を感じさせる“確かなもの”を持っている。

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