MLB公式ホームページが田中を紹介
米大リーグの公式ホームページは8日(日本時間9日)、ジャパンタイムズで18年間スポーツ記者を務めているジャック・ギャラガー記者の「日本の次のビッグネーム」と題したスポーツ・オン・アースの配信コラムを掲載した。
次のビッグネームとは、楽天・田中将大投手(24)のこと。「野茂英雄、伊良部秀輝、松坂大輔、ダルビッシュ有。2人は当たり、2人は外れた」という書き出しの記事は、長年日本のプロ野球を取材しているギャラガー記者らしく田中のことを詳細に紹介している。
記事中に挙げた数字は22勝時点のものだが、「彼は今季、投手として最も偉大なシーズンを楽しんでいる」と、次々と記録を塗り替える田中のことを多くの数字を交えて書き、その中には「殿堂入り投手のカール・ハッベルがニューヨーク・ジャイアンツで1936-37シーズンに記録した24連勝を上回る連勝記録を続けている」と、メジャー記録との比較も。
兵庫県伊丹市出身で、高校時代に甲子園で活躍、愛称が「マー君」であるなどプロフィルも並べ上げた。
ギャラガー記者は、田中が今年これほどまでに活躍している一つの原動力として、日本のあるチームのGMの「彼はアメリカへ行きたがっている。そのためにチームに何かを残したがっている」という分析を紹介した。
そのGMは田中が持つ球種について「スプリット、ストレート、スライダー、チェンジアップ、カーブと5種類あるが、中でもスプリットは見えなくなるので打者は打てない」と言い切った。そして「今は彼が夢を追うべき時だ」とメジャー行きに理解を示した。
ただ、一つの縛りとして、田中が所属する楽天が被災した東北地方の人たちを鼓舞する存在であるという懸念も挙げた。
それとともに日本の投手によく見られる肩の使い減りについても、田中が高校時代、甲子園で2週間の間に742球投げた事実を紹介、これは松坂大輔の643球を抜くレコードであると指摘した。
しかし、日本人初の大リーガーとして活躍したマッシー村上こと村上雅則氏は「彼なら大丈夫。彼は素晴らしいコントロールとともに素晴らしい体を持っている」と保証した。その上で、田中を生かせる球団としてヤンキース、メッツ、レッドソックス、ドジャースの名を挙げた。
ただし村上氏は、メジャーのコーチが田中の投球に関するスタイルに干渉しないように、と忠告もした。
ポストシーズンゲームが進行中のメジャー。やがて「日本の次のビッグネーム」により強いスポットライトが、より熱い視線が注がれるようになるだろう。