「広島６‐１阪神」（２７日、マツダ）

　広島・福井が今季初勝利を３年ぶりとなる完投で飾った。

　「自分でもびっくりしてます。テンポ良く投げられました」。立ち上がりの初回に３人で１点を先制されたが「逆に開き直れたし、その後に併殺を取れたがよかった」と振り返った。

　二回以降は要所を締める投球で阪神打線を翻弄し、味方打線の援護もあって最後まで踏ん張り続けた。

　早大からドラフト１位で入団して４年目。昨年はプロ入り最少の１２試合登板にとどまり、危機感もあった。そのパワーを前向きに変換し、この日の虎狩りにつなげた。

　「チャンスはあると思って一生懸命やってきました。これからも慢心せず、どんどんいきたい」

　最終回、マウンドに向かう時にスタンドから沸き起こった「フ・ク・イ」コールに「ウルッときちゃった」と照れ笑い。涙を笑顔に変えて、真夏のカープに背番号１１が戻ってきた。

　広島は後半戦２カード連続勝ち越し。２位の阪神に再び０・５ゲーム差に迫った。