雪谷・鈴木 都立高から史上3人目指名
「プロ野球ドラフト会議」(23日、グランドプリンス新高輪)
オリックスから9位で指名された鈴木優(ゆう)投手(17)=雪谷=は都内の自宅で家族、友人らと歓喜の瞬間を迎えた。午後7時20分過ぎに名前が呼び上げられると、ぎっしりと人で埋まったリビングは大歓声と拍手に包まれ、野球部の相原健志監督とがっちり握手をかわした。待たされた時間が長かっただけに、指名された喜びは何倍も大きかった。
「待っている時間が長くて、みんなの軽いため息が重く感じるときもあったし、不安でいっぱいだった。選んでいただいて感謝しています。本当にうれしい。支えてくれた人たちにありがとうと伝えたい」と、“都立のダルビッシュ”と呼ばれる端正なマスクを崩した。
中学時代は捕手だったが、雪谷に入学してから投手に転向。1年の秋からエースナンバーを背負った。MAX145キロの直球に加えてスプリットの決め球がある。さらにカーブ、縦・横の2種類のスライダー、ツーシームと変化球も多彩。50メートル走6秒0、100メートル走11秒台をマークする俊足、遠投115メートルと身体のバネも抜群だ。
「プロのトレーニングで体ができてくれば、もっとポテンシャルを発揮できる」と、相原監督はさらなる成長を見込んでいる。
都立高からプロに指名されたのは、中日の05年高校生ドラフト4位・高江洲拓哉(都府中工)以来、3人目(投手では2人目)の快挙。「都立からでもプロになれるんだ、という気持ちでやってきた。早く有名になって注目されるピッチャーになりたい」と活躍を誓った。
都立の星から、プロでさらに輝く新星へ。無限の可能性を秘める若き才能が大きく羽ばたく。