元プロ戦士が導くプロアマ球界の雪解け

 ブルーのユニホームを身にまとった元虎戦士が躍動した。28日に行われた社会人野球京都大会の予選リーグ・三菱自動車倉敷オーシャンズ戦。昨年まで育成選手として阪神に在籍し、今年からパナソニックに入社した阪口哲也内野手(22)が攻守にわたる活躍で勝利に貢献した。

 「プロでも社会人でもやることは一緒なんで。みんな一戦、一戦、勝つことを考えてやっています」と明かした阪口。市和歌山高から2010年の育成ドラフト1位で阪神に入団。だが4年間で支配下登録を勝ち取ることはできず、昨オフ、戦力外通告を受けた。

 ファームで熱心に打撃指導を行っていた掛布DCは「本当は残してくれと言ったんだけど、出場機会が得られるのであれば、社会人の方に行って良かったかもしれない」と明かす。ファーム時代、優先的に出場機会を与えられるのは支配下登録の選手たち。阪口は少しでも出番を増やそうと、内野手ながら捕手の練習に取り組んだこともあった。

 現在は「最初から使ってもらって」と本職の二遊間でゲームに出ており、その表情からは充実感がにじむ。まだ22歳と若く、今後プロに復帰できる可能性もゼロではない。「それくらいの気持ちを持って。チーム全員で都市対抗に出ることが目標です」と力を込めた阪口。ここ数年はプロで戦力外通告を受け、社会人野球でプレーする選手は少なくない。

 元ロッテで守護神を務めた経験を持つ荻野忠寛(33)は古巣の日立製作所でユニホームを着ている。阪神、日本ハムなどでプレーした若竹竜士(27)は、昨年から三菱重工神戸・高砂に在籍。以前はプロから社会人野球に“戻る”のはレアケースだったが、今後少子化が進んでいけば、野球を続けたい選手にとっても採用する企業にとっても互いにメリットは出てくる。

 2000年代に入って、学生野球をはじめとしたプロアマ関係は急速に雪解けの道を歩んできた。互いにルールを厳守した上で、より一層の交流ができていけば-。間違いなく野球界の発展につながっていくはずだ。

(デイリースポーツ・重松健三)

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