オリ岡田監督強制休養…2分の非情通告
【2012年9月26日紙面より】
オリックスは25日、今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(54)を、同日のソフトバンク戦(京セラ)から休養させることを発表した。24日に最下位が確定したことを理由としたが、同監督には22日に今季終了まで指揮を執らせる方針を伝えており、急転の“強制休養”となった。高代延博ヘッドコーチ(58)も休養し、残り9試合は森脇チーフ野手兼内野守備走塁コーチ(52)が監督代行を務める。
3年間のオリックス監督生活は、あっけなく終わりを迎えた。岡田監督は普段通りに球場入りすると、練習前に監督室で村山球団本部長から、報道陣に配られるリリースの紙を見せられた。わずか2分間での休養指示。チームの再建に尽力した指揮官は、いきなりユニホームを脱ぐことになった。
「気持ちもなんも普通にゲームをやる気で来てたしな。こんな格好(ポロシャツ)やし、ネクタイを締めとったらよかったわ」と苦笑いしながらも、「紙を見ただけや。契約やからなあ…」と寂しそうな表情も見せた。
球団は22日に3年契約満了による岡田監督の退任を発表。しかし、その際に村山球団本部長は宮内オーナーからの「最終戦まで指揮を執るように」という言葉を指揮官に伝えており、岡田監督も「責任を持って最後まで戦う」と話していた。
24日に球団ワーストタイの11連敗で3年ぶりの最下位が確定。どん底の状況とはいえ、あまりにも非情な通告だった。村山球団本部長は「最下位が確定して、チームの目指すものが分かりにくくなったのかな、という印象があった」と理由を説明したが、唐突感も拭えなかった。
岡田監督は練習終了後、選手から次々にあいさつを受けた。「3年間、勉強になったことがあれば、少しでも思い出して生かしてくれたらオレはうれしいよ」。教え子に最後のメッセージを送ると、静かに球場を後にした。(西岡 誠)