広島の秘密兵器?2軍で活躍デヘスス
プロ野球・広島の2軍が首位を独走している。8日現在、ウエスタン・リーグで、45勝23敗3分けで貯金22。2位・ソフトバンクとゲーム差は7・5だ。
そのチームで、奮闘しているのがドミニカカープアカデミー出身の育成ダニーロ・デヘスス投手だ。昨年の秋季キャンプに練習生として参加。緒方監督の目にとまり今年、育成選手として契約した。最速156キロの本格派右腕で、落差のあるフォークも武器だ。
春季キャンプで結果を残し、その評価はうなぎ登りだった。だが、1軍に出場できる支配下登録には至らなかった。理由は就任1年目で優勝を目標に掲げた緒方監督が即戦力投手を必要としたから。今季は1軍戦に出場することはできず、2軍戦のみ出場している。それでも、デヘススは「1軍で投げられないけどモチベーションは高い。2軍で投げて経験を積んでいきたい」とにっこり笑った。
現在の課題はリリースポイントだ。直球は常時150キロ超だが、2軍の打者にも簡単にはじき返されることがある。「リリースのタイミングが早くて、打者からボールが見えやすい」と佐々岡2軍投手コーチ。球離れをできるだけ遅くし、投手よりにするフォームを模索している。
リリースを前にするのはほんの数センチ。慣れ親しんだフォームを修正するのは簡単なことではない。それでも「約1カ月前からやっているけど、徐々によくなっている。球速も落ちていないし、つかみつつある」と手応えを口にした。佐々岡コーチも「腐らずやるしかない中で、しっかりと練習している。球持ちはよくなっているよ」と目を細めた。
投球の幅を広げるため、現在はカーブも練習中。緩急をつかった投球ができるようになれば来年の支配下登録はグッと近づく。「来年も、もちろんカープでプレーしたい気持ちがある。契約してもらえるように頑張るだけ」。日本での成功を誓うドミニカン。飛躍の時へ向け全力で駆け抜ける。
(デイリースポーツ・市尻達拡)