山あいの運動場で見た藤川球児の魅力

 駐車場の車が見える球場のマウンドで力投する藤川球児=2015年6月13日
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 独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団した藤川球児投手(34)を久しぶりに取材した。6月13日、高知での初練習は空港から西へ車で1時間程、高知県越知町の町民総合運動場。サッカーのゴールなども置かれ、本格的な野球専用グラウンドではないようだった。そんな中、藤川は若い選手に混じり、明るい表情で汗を流していた。

 阪神タイガース在籍当時の藤川はファンにとっても、カメラマンにとっても安心できる「絶対的守護神」。

 投手交代のアナウンスで藤川の登場に、ファンは「この試合はもらった」、と球場全体が安心感に包まれた。

 リリーフカーからマウンドに向かう姿や滑らかで力強いピッチングフォームは絵になり、紙面を何度も飾らせてもらった。

 練習でシート打撃に登板した藤川は、阪神時代と変わらないフォームで打者と対峙(たいじ)した。大きなステップと力強い腕の振りで投げ込まれたボールがキャッチャーミットに収まる乾いた音が山あいに響く。甲子園のような大声援はなく、球が風を切る音が聞こえてくる。本調子ではないかもしれないが、藤川球児の魅力を純粋に見た気がした。

 故郷・高知に「恩返ししたい」と語る藤川。NPBの移籍期限が7月31日と迫っているが、今後の彼の動向についてはわからない。しかし、大観衆の中での活躍はファンの願いでもあり、カメラマンの私の期待でもある。

(写真と文=デイリースポーツ・山口 登)

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