三沢商初戦敗退、エース野田の妹が涙

3回、花咲徳栄・久々宇竜也の左前安打で追加点を許す三沢商・野田海晴=甲子園(撮影・保田叔久)
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 「全国高校野球・2回戦、花咲徳栄15-3三沢商」(11日、甲子園)

 夢舞台に立つ兄を、スタンドからまぶしそうに見つめた。三沢商のエース・野田海晴(かいせい)投手(3年)の妹、野田凜マネジャー(1年)だ。

 兄に負けないくらい、野球が大好き。小学生のとき、2歳年上の海晴が野球をやっているのを見て自分もやりたくなり、同じ「古間木レンジャーズ」に入団。男の子の中に交じり、土にまみれた。だが、中学に上がると、女子の入団を受け付けるチームはなかった。プレーヤーの道は断念したが、「何か野球に携わることがしたい」と、高校進学後は野球部のマネジャーになることを決意。進学先は、もちろん海晴と一緒の三沢商を選んだ。

 2歳違いの兄妹。幼い頃から「お兄ちゃん」と呼ばず「海晴」と呼び捨てにする。選手とマネジャー、先輩と後輩という間柄であっても、それは変わらない。「同じチームにいて、やりにくかったこと?特にないですね」と屈託なく笑う。

 前夜は、選手宿舎に滞在する兄に「頑張って」とLINEを送ったが、「おう」と素っ気ない返事が返ってきた。多くは語らなくとも、兄妹だけに、胸の内はだいたい分かる。「例えば、マウンドで帽子をよく取るときは、焦っているときかなぁって思う」と凜マネジャー。家族を思いやる1人の女の子の顔をのぞかせた。

 スタンドで必死に声を枯らした。だが、思いは実らなかった。先発した海晴は、序盤に花咲徳栄打線につかまり、3回1/3を7失点で降板。チームも初戦で涙をのんだ。

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