大阪偕星・山本監督の一問一答
「全国高校野球・2回戦、大阪偕星9-10九州国際大付」(13日、甲子園)
初出場の大阪偕星学園は、壮絶な打撃戦の末に2回戦で姿を消した。熱血指導でチームを甲子園に導いた山本セキ監督は、試合後に熱い思いを吐露した。以下は山本監督の一問一答。
(試合後、お立ち台にて)
-一時は4点ビハインドをよく追いついたが?。
「本当に子供たちの粘りはすばらしい。感動しました。よくここまで成長してくれたと思います」
-最後は2つのミスがサヨナラに。
「野球をしている限りはどうしても勝敗が分かれてしまう。でも私は子供たちがミスしたとは思っていません。精一杯、全力でやったプレーをミスだとは思いません」
-五回の整備中にどんな声をかけた?
「全員を集めて、相手が4点差をひっくり返したんだったら、ウチも4点取れると。九回まで2点ビハインドならOKくらいの気持ちでいけと指示しました」
-きょうの試合を振り返って。
「子供たちは1試合、1試合、本当に成長してくれた。敗因は監督の采配。子供たちをかたせてあげられなかった。それは私の責任です。子供たちは全力でプレーしている。それをエラーとは言えない」
-改めて子供たちの成長をどう思うか?
「本当に一丸となってやってくれた。一生懸命、プレーしてくれた子供たちに感謝したい。これが終わったら1人、1人と握手します。チームで一つになるということは、自分を捨てなければいけない時がある。チームで一つになって、頑張って努力してきた。それは私のテーマなんです。フォア・ザ・チーム。姫野が本塁打を打ったのはバットを短く持ってつなごうという意識が表れていた。だからよく選手たちには言うんです。狙ってホームランを打てる確率は低いけど、そういう意識の方がホームランが出る確率は高いと。それができて本当に良かったと思いました」
-姫野は狙ってしまうタイプ?
「そこはまだ子供ですから。でも言えば素直に聞いてくれる。いろいろあるかもしれませんけど、根は素直でいい子たちばかりなんです。大阪大会の前からフォア・ザ・チームの話を言ってきた。そしてきょう、それができた。だから僕は本当に満足です。ほめてあげたいです」
-今の3年生が入部してきたときはどうだった?
「入ってきたときは15、6歳ですから。高校生は多感な時期をすごしている。もちろん野球だけでなく社会性だったり、あいさつ、礼儀ですよね。そういうところも指導していかないといけない。でもこの子たちは野球だけじゃなく、そういうとこもきちんとやってくれている。本当に礼儀正しいし、あいさつもできる」
-ここまでの指導でつらかったことは?
「僕は子供たちと一緒にいてつらいと思ったことはない。もちろんご飯作ったりで睡眠時間が削られて、肉体的につらかったことはありましたけど…。つらいと思ったことは一度もありません」
-猛練習で鍛え上げた?
「猛練習と言ってもこちらから強制的にやらすものではない。あくまでも子供たちの意志です。子供たちが勝ちたい、甲子園に行きたいというのであれば、指導者というのはその手助けをする立場だと思うんです。いろいろアドバイスをして、こういう練習を提案して。あとは子供がやり切るかどうかなんです。絶対に、こちらから押しつけたりはしない。アメリカにいたときにメジャーリーガーと話をして、向こうで少年野球も見ましたけど、絶対に押しつけていない。大事なのは動機付け。頑張りたい、勝ちたいと子供が思うから、こちらはそのやり方を提案する」
-甲子園を振り返ってどんな場所?
「子供たちと一緒につかんだ夢の場所。子供たちが行きたいと思い続けた気持ちが実を結んだ。まだ夢の中にいるみたいです。これからどんどん醒めてくるんでしょうけど。また一からのスタートですが、頑張ればやれる、やればできるという気持ちを持って。先輩たちが努力してつかんだものを引き継いでね。執念、一丸となる姿勢はこのチームの伝統となっていければと思います」