オリックス谷引退、思い出は追悼満塁弾

引退会見で涙を拭うオリックスの谷佳知=京セラドーム(撮影・持木克友)
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 オリックスの谷佳知外野手が16日、大阪市の京セラドーム大阪内で引退会見に臨み、19年間に及んだ現役生活を振り返った。

 8月末に決断したという。「きっかけはないです。もうそろそろかなと自分で感じたし、全力でやれたというのもあった」と話した。

 亮子夫人には電話で伝え「パパの思い通りにやればいい」と背中を押してもらった。心残りは子供たちに自身のプレーをあまり見せられなかったことだと明かした。「子供たちも納得はしていないかもしれないけど、これからは一緒に遊べたらなと思います」と笑顔を見せた。

 思い出に残るプレーは、ルーキーだった97年5月25日のロッテ戦で薮田から放った二塁打だと言う。

 「19年もやれると思っていなかった。まずプロで1本と思っていたので、本当に喜びました。あとは木村拓也の満塁本塁打。アテネ五輪も自分にとって最高の舞台で野球ができた」

 巨人在籍時の2010年、同学年で親友だった木村拓也コーチが急死。追悼試合として行われた同年4月24日・広島戦(東京ドーム)では八回に代打逆転満塁本塁打を放ち、お立ち台で号泣した。

 アテネ五輪は長嶋茂雄監督の下、オールプロで挑み金メダルを目指したが、大会前に長嶋監督が脳梗塞のため入院。ヘッドコーチの中畑清氏が監督に就任したが銅メダルに終わった。

 数々の記録を残してきたが、2000本には届かなかった。

 「あまり惜しいとは自分では思わない。悔しさは全然ないです。二塁打の記録は長打を打てる打者じゃないだけにヒットゾーンに飛ばすことだけを考えていた。二塁打が自分にとってモチベーションだったかな」

 今後については未定。次の夢を問われると笑顔を見せた。

 「指導者として選手を育てたい。プロ野球だけでなく日本中には野球少年もいる。僕以上の選手を育てたい」

 10月3日の本拠地最終戦で引退セレモニーを行う。

 谷は尽誠学園2年時に甲子園に出場し、本塁打を放つなどベスト4進出に貢献。その後、大商大に進み関西六大学リーグの三冠王、最優秀選手に輝いた。三菱自動車岡崎に在籍した96年にはアトランタ五輪に出場し、決勝のキューバ戦で2本塁打を放つなど活躍。その年のドラフト2位でオリックスから指名を受け入団。ルーキーだった97年途中からレギュラーに定着した。

 2001年にはシーズン52二塁打の日本記録を達成。02年は41盗塁で盗塁王に輝き、03年には189安打で最多安打のタイトルを獲得した。

 07年からは巨人に移籍。在籍7年で5度のリーグ優勝に貢献。14年から古巣オリックスに復帰した。

 通算成績は1887試合に出場し、1927安打、133本塁打、741打点、168盗塁、打率・297。

 2003年に柔道の金メダリスト田村亮子と結婚した。

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