法大・青木、天国の父に捧げる好投
「東京六大学野球、法大6-4東大」(20日・神宮)
法大が逆転勝ちし、1勝1敗とした。
六回から3番手で登板した青木勇人投手(4年・智弁和歌山)が、4回無安打無失点、4奪三振の好リリーフ。五回まで7安打していた東大打線の勢いを止めた。
勝利を呼ぶピッチングを見せた左腕に、青木久典監督は「ロングリリーフでよく投げてくれた。勝負根性がある」と称賛。そして「青木は特に苦労しているから」と、感慨深げに言った。
青木は父・学さんを心筋梗塞で7月10日に亡くしたばかり(享年52)。小学校2年で野球を始めたのも、大学まで野球を続けた父の影響だった。最後に言葉を交わしたのは、亡くなる2カ月前。最終的にはプロになりたいという目標を伝えると「どんなに遠回りしてもいいから」と、エールをもらったという。
「ここまで来られたのも父のおかげ。今日のピッチングを一番見て欲しかった」と青木。まだ進路が決まっていないが「社会人でもやりたい。(秋の)結果次第ですね」と、卒業後もプレーを希望する。天国の父に見守られながら、チームの勝利と自身の夢に向かって、全力で腕を振る。